2010 Fiscal Year Annual Research Report
市場化時代における大学法人の研究:経営ユニットとしての法人組織の連携・統合・解体
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20330170
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
荒井 克弘 独立行政法人大学入試センター, 入学者選抜研究機構, 教授 (90133610)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 直由 東北文化学園大学, 医療福祉学部, 教授 (00125569)
猪股 歳之 東北大学, 高等教育開発推進センター, 助教 (60436178)
大迫 章史 仙台白百合大学, 人間学部, 講師 (60382686)
渡部 芳栄 広島大学, 高等教育研究開発センター, 研究員 (60508076)
羽田 貴史 東北大学, 高等教育開発推進センター, 教授 (90125790)
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Keywords | 大学法人 / 学校法人 / 法人合併・統合 / 経営ユニット |
Research Abstract |
本年度は市場化時代に直面した学校法人が経営存続のために取りうる行動を分析する視角として(1)学校法人内での調整、(2)学校法人外との連携・統合、(3)設置形態の変更という3本柱を立てた。これらの観点から訪問調査、前年度実施したアンケート結果の分析、およびデータベース分析を実施した。訪問調査では、(1)法人内調整の事例として学校法人佛教教育学園、学校法人真言宗京都学園、(2)法人外との連携・統合の事例として稚内北星学園大学、北海学園大学、(3)設置形態の変更の事例として鳥取環境大学、グロービス経営大学院などへの訪問調査を実施した。アンケート分析とデータベース分析では、主に(1)学校法人内での調整の実態を明らかにしている。学校法人の経営戦略の実態について、学校法人傘下の諸学校の定員を変更する「収容力調整」という観点から分析を行った。具体的には学校法人の経営戦略と法人傘下校の定員変更に関する大学法人と高等学校法人の比較分析や、収容力調整と学校法人財務の関連性についての分析を行い、日本教育社会学会第62回大会で発表を行った。本年度の研究は、定員が拡大傾向の学校法人ほど収入拡大を志向しているのに対して定員が縮小傾向の学校法人が支出削減を志向することを指摘し、学校法人の経営行動の多様さを示した。また、訪問調査からは地域をキーワードとした大学のあり方が新しく求められていることを明らかにし、従来の私立大学の位置づけとは異なる文脈での学校法人経営について指摘した。
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Research Products
(10 results)