2008 Fiscal Year Annual Research Report
教職の変容と展望に関する教育社会学的研究 -成果主義の影響と専門職の可能性-
Project/Area Number |
20330174
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
油布 佐和子 Waseda University, 教育・総合科学学術院, 教授 (80183987)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越智 康詞 信州大学, 教育学部, 准教授 (80242105)
紅林 伸幸 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (40262068)
山田 真紀 椙山女学園大学, 教育学部, 准教授 (30329643)
川村 光 滋賀大学, 教育学部, 特任講師 (50452230)
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Keywords | 教職の専門性 / 教育改革 / 教職の脱専門性と再専門性 / パストラルワーク / 教員団体(ユニオン) / 成果主義 |
Research Abstract |
本研究は、教育改革の中でドラスティックな変化を見せている教職の現状について、(1)時系列的なアンケート調査を用いた分析、(2)各国における教職改革との比較分析を通じて、学術的かつ政策的なインプリケーションを導くことを目的としている。 本年度は、申請書に記したとおり第一に、1995年調査、2000年調査と同じ調査票を用いた国内の小中学校の時系列アンケート調査を実施した。統廃合や調査協力を得ることができなかったために回収票が1000票には至らなかったが、2009年度の学会発表を目指して、現在集計作業中である。第二に実施したのは、イギリス(スコットランド、イングランド)と、OECD及びElへのインタビュー調査である。以前のデータが存在することから、イギリスにおける時系列調査の交渉を行ったが、特にスコットランドでは教育調査について非常に困難な状況になっており、これは断念せざるを得ないことが判明した。しかしながらイングランドにおいては、教職の脱専門性と再専門性をめぐる議論や学校組織とパストラルワークについての有意義な知見が得られたこと、さらには、学校観察や教師インタビューの可能性が開かれたことなど、またOEGD,Elへのインタビューからは、アングロサクソン系でない国では、市場主義・成果主義的な教育改革が志向されていない現実、対抗勢力の存在などの知見が得られたことなど、非常に大きな収穫があった。このことから、申請時に予定していたアンケートによる比較調査ではなく、観察とインタビューによる情報収集へと計画をシフトすることが望ましいことが明らかになった。現在、このインタビューの際に入手した『Changeing Teacher professional ism』の翻訳を検討中であり、また、ニグループに分かれて情報収集した各国データを整理している最中である。
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Research Products
(5 results)