Research Abstract |
米国ユタ州で継続されている国際共同実験「宇宙線望遠鏡実験」の大気蛍光望遠鏡は電子線型加速器(LINAC)による電子ビームで較正されるが,LINACによる較正を全ての望遠鏡に反映させ,高頻度で較正するためには,その移動が容易で任意の場所に設置でき,その射出方向が可変であるような「スタンダードキャンドル」が必要である。これに加えて,十分小さい(ビーム径の細い)光源を用いることで,望遠鏡の各セグメント鏡の視線方向を独立に知ることができ,結果として,撮像面上のあらゆる点での合成鏡の収差を知ることができる。この目的のために,本研究では可搬UVレーザー光源を製作し,TA実験の大気蛍光望遠鏡を較正光源とする。 平成20年度は,UVレーザー射出装置のコンポーネント,すなわち,UVレーザー,エナジーメーター,GPS架台望遠鏡,などを購入し,各コンポーネントの動作試験を行った。 特に架台の制御ソフトウェアは宇宙線望遠鏡実験ライダー(LIDAR)チームによってすでに開発されたものを用いた。制御・動作に問題はなく,ソフトウェアの開発に必要な期間を無くすことができた。 一方,UVレーザーはユタ州の観測施設にいったん輸送され,動作試験が行われ,予定どおりの出力が確認された。
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