2010 Fiscal Year Annual Research Report
可搬UVレーザーを用いたTA実験大気蛍光望遠鏡の較正
Project/Area Number |
20340057
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
荻尾 彰一 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 准教授 (20242258)
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Keywords | 極高エネルギー宇宙線 / 最高エネルギー宇宙線 / レーザーレーダー / 大気蛍光望遠鏡 / 空気シャワー / Nd : YAGレーザー |
Research Abstract |
北半球最大の極高エネルギー宇宙線観測装置である宇宙線望遠鏡(Telescope Array, TA)実験のための「スタンダードキャンドル(較正用標準光源)」として、射出方向可変で可搬な紫外線レーザー光源を製作した。TA実験は世界で初めて高エネルギー加速器による電子ビームで較正される空気シャワー観測装置であるが、この加速器は固定設置されているため、較正されるのはTA実験を構成している望遠鏡のごく一部に限られる。そこで、本研究で製作した紫外線レーザー光源を用いて全ての望遠鏡を較正する。 H20年度に装置を製作し、H21年度には架台部の制御プログラムの開発とポインティング精度0.1゜を確認した。H22年度にはTA実験内での運用を開始した。併せて、レーザー光の大気散乱光による擬似的空気シャワー事象のためのシミュレーションプログラム、およびデータ解析プログラムを開発し、完成させた。 これらによって、大気蛍光望遠鏡の較正装置は完成した。電子加速器の定常運用が始まれば、これとの共同運用を開始する。現在のところは、TA実験内中央レーザー施設内に設置されている紫外線レーザー光線の較正のために、共同運用を行い、装置の絶対光量の決定精度などの評価のためのデータ解析を行っている。
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Research Products
(7 results)