2008 Fiscal Year Annual Research Report
核スピンの精密制御を用いた原子の電気双極子モーメント探索
Project/Area Number |
20340067
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
吉見 彰洋 The Institute of Physical and Chemical Research, 偏極RIビーム生成装置開発チーム, 研究員 (40333314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
旭 耕一郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (80114354)
内田 誠 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (90397042)
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Keywords | 核スピンメーザー / 電気双極子モーメント / 時間反転対称性の破れ / 超対称性模型 / 標準模型 / 核スピン偏極 / 原子磁力計 / 周波数安定度 |
Research Abstract |
今年度はスピン偏極した^<129>Xe原子核の低周波スピンメーザーを利用した電気双極子モーメント(EDM)探索実験のための装置開発・改善を行った。まずEDM実験において要のひとつとなる高感度磁力計に利用するためのRb原子の非線形磁気光学効果(NMOE)の観測を行い、その特性を調べた。Rb原子のD1吸収波長794.76nmで単一振動数発振するNMOE用プローブレーザーの構築、Rbガラスセル(φ20mm×20mm)の製作、そして〜1Gの磁場領域でのNMOE分散スペクトラムの観測を行った。Rb原子のプローブレーザー領域通過による〜1GのNMOE共鳴幅が観測され、そのレーザー波長依存性も調べた。より狭い幅のNMOE共鳴観測を行うための、スピン緩和抑制用パラフィンコーティングを内壁に施したRbセルの製作も行った。これを用いて来年度1μGの共鳴幅で高感度磁力計の運転を行う予定である。 またメーザーの静磁場生成用定電流源として従来使用していたものは1℃の温度変動に対して0.25μA程度の電流変動があったが、4.7℃の変動に対して電流変動0.3μA以下の高安定電流源の設計・製作を行った。来年度はこれをメーザー実験に導入し、長期周波数安定度の向上を行う。その他、スピンメーザーの外部フィードバック機構に使用していたアナログ演算回路部分を、AD-DA変換を組み込んだCPUボードでデジタル演算させることで、回路の安定度・周波数依存性などの向上を行い、EDM実験に応用できる見込みがたった。
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Research Products
(5 results)