2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20340078
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
森 茂生 Osaka Prefecture University, 大学院・工学研究科, 教授 (20251613)
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Keywords | リラクサー / 階層的ドメイン構造 / 磁気誘電効果 / 誘電体 / 電子顕微鏡 / 電子誘電体 / 不均質構造 |
Research Abstract |
本研究では、(1)添加元素による不均質構造の制御(2)フラストレーション効果を利用した不均質構造の制御により、広温度範囲において巨大な磁場応答、誘電応答および外力応答を示す新たな磁気・誘電リラクサー物質群の探索および機能開拓を行なうとともに、室温で磁性と誘電性が共存する磁気・誘電リラクサー物質の探索を行った。以下に得られて研究成果を示す。 ・BiFe_3O_3-BaTiO_3固溶体試料の作製に成功し、磁気-リラクサー特性間に新たな相関を見出した。 ・電子顕微鏡観察により電子誘電体RFe_2O_4系の電荷秩序と磁気・誘電特性を明らかにした。また、PMNおよびPMN-PT(MPB近傍組成)における局所構造解析を行い、リラクサーが本質的にnano-sized強誘電体である事を明らかにした。また、ドメインの階層構造の生成過程を観測した。 ・RFe_2O_4におけるFe^2+イオンを他の2価の遷移金属イオンM^2+に置換すると、RFe_2O_4で形成されていた3次元的な電荷秩序構造は消滅すると同時に、格子歪みを伴ったFe^3+イオンとM^2+イオンとの短範囲秩序が形成されることを明らかにした。 ・LuFeCoO4において、W層内でFe^3+イオンとCo^2+イオンによる四面体の4点クラスターで特徴付けられる短範囲秩序が形成され、これに伴って局所的な電気双極子が発現することを見出し、LuFeCuO_4においては、電気双極子を有するFe^3+イオンとCu^2+イオンとの短範囲秩序によるナノドメインが形成されことを見出した。このナノドメインがリラクサー誘電体的な室温以上での誘電分散を特徴付けることを明らかにした。
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Research Products
(17 results)