2008 Fiscal Year Annual Research Report
プチスポット総合研究-岩石学と海域調査:海洋リソスフェア発達過程解明に向けて
Project/Area Number |
20340124
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
阿部 なつ江 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球内部変動研究センター, 研究員 (80302933)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬場 聖至 東京大学, 地震研究所, 助教 (70371721)
荒井 章司 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (20107684)
富士原 敏也 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主任 (30359129)
杉岡 裕子 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, 技術研究主任 (00359184)
鈴木 勝彦 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部変動研究センター, グループリーダー (70251329)
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Keywords | プチスポット / 海洋リソスフェア(プレート) / 広帯域海底地震計(BBOBS) / 海底電位磁力計(OBEM) / 地殻熱流量 / ナスカプレート / 海洋プレート内微小地震 / マントル捕獲岩 |
Research Abstract |
プチスポット火山の成因および北西太平洋プレートの熱物質構造理解のための海域調査を平成20年7月28日〜8月19日に実施した(YK08-09:馬場首席)。平成19年に設置した広帯域海底地震計(BBOBS)および海底電位磁力計(OBEM)の回収に成功し、同海域における1年間の観測データを得た(Baba et al.,2008 YK08-09 cruise report)。その結果、プチスポット海域における海洋プレート内微小地震の観測に成功し、また上部マントルの地震波速度構造および電気伝導度構造データを得た(Shito et al.,2008など)。これらのデータは現在解析中である。また、典型的なプチスポット火山である湯川海丘周囲で、非常に低い地殻熱流量値を観測するなど新しい発見があった。 平成21年1〜3月には、海洋研究開発機構所有の大型海洋地球観測船「みらい」を用いた、初の固体地球課題航海(MR08-06Leg1:阿部首席)を実施。チリ沖ナスカプレート屈曲点付近において、プチスポット様の小海丘を発見し、3つの海丘におけるドレッジにより、プチスポット同様の若いアルカリ玄武岩の採取に成功した。この岩石採取成功により、北西太平洋以外のプレート屈曲点にも、プチスポット火山が存在する可能性がきわめて高いことが分かった。もしこの若い火山がプチスポットであれば、プチスポット火山活動が海洋プレート上で普遍的に起こる現象であることを示唆している。そのため、現在岩石の化学組成、マグマの噴出年代測定を急いでいる。また、同アルカリ玄武岩からは今のところマントル捕獲岩は発見されていない。 また、平成19年度までに取得した資試料と合わせて分析・解析を行う。特に北西太平洋プレート深部〜上部マントルの熱物質構造およびマントル組成について研究をすすめ、研究成果を国内外の学会で発表した。
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Research Products
(15 results)