2008 Fiscal Year Annual Research Report
熱帯の気候変動モードの長期変調と海の温暖化現象に関する研究
Project/Area Number |
20340125
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
山形 俊男 Gunma University, 大学院・理学系研究科, 教授 (50091400)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
升本 順夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 准教授 (60222436)
東塚 知己 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (40376538)
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Keywords | 気候変動 / ダイポールモード現象 / 地球温暖化 / インド洋 / セーシェルドーム / 大気海洋結合モデル |
Research Abstract |
今年度に実施した主な研究成果は、以下の通りである。 1.インド洋熱帯域の気候変動モードであるダイポールモード現象の長期変調を調べるため、過去約300年間の温室効果ガス、太陽定数、植生等を用いて、大気海洋結合モデルによる再現実験を行った。来年度は、このモデル結果の解析を行う予定である。 2.CMIP3に登録されている22個の大気海洋結合モデルによるセーシェルドーム(南西インド洋熱帯域の大規模湧昇ドーム現象)の再現性を調べた。ドームそのものは再現されているものの、観測データに見られる半年周期性が、多くのモデルで再現できていなかった。また、その原因は、インドモンスーンの非対称性(夏季モンスーンの方が冬季モンスーンに比べ、強く、期間が短い)が再現できていないためであることもわかった。 3.ケニア沖で得られた珊瑚礁のコアデータより、過去約130年間のダイポールモード現象を復元することに成功した。最近50年間については、観測データと整合的であることが確認された。 4.ダイポールモード現象のテレコネクション(遠隔地への影響)により、チベット高原では、低気圧性偏差が形成されて、水蒸気フラックスの収束が起こるため、正のイベントの年に積雪面積が異常に拡大することが明らかになった。 5.大西洋熱帯域の気候変動モードである南北モードとギニアドームの関係を高解像度海洋大循環モデルの結果の解析により調べた。その結果、ギニアドームが南北モードの減衰に重要な役割を果たしている可能性が示唆された
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Research Products
(51 results)