2010 Fiscal Year Annual Research Report
実証型ジオスペースモデリングに向けた内部磁気圏基本モデルの構築による宇宙嵐の研究
Project/Area Number |
20340134
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
関 華奈子 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 准教授 (20345854)
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Keywords | 磁気嵐(宇宙嵐) / リングカレント / 内部磁気圏 / ドリフト運動論近似 / マクスウェル方程式 / ボルツマン方程式 / 放射線帯 / 粒子加速 |
Research Abstract |
宇宙嵐に伴う粒子加速過程を理解するためには、内部磁気圏における電磁場と粒子の変動を理解することが不可欠であるが、両者を自己無撞着に解くことに成功した例はない。本研究では、マクスウェル方程式とボルツマン方程式とを同時に数値的に解くことで、内部磁気圏の場と粒子の時間発展を自己無撞着にシミュレートすることが可能な数値コードを世界で初めて開発してきた。研究計画3年目である平成22年度には、前年度までに開発したプロトタイプモデルを用いて、テスト問題による検証を行い、低周波電磁波動や粒子ドリフトの記述特性が理論予測値に合致すること、および沿磁力線電流の形成などに成功し、電磁場とリングカレント粒子を矛盾無く解けるグローバル内部磁気圏モデルの開発の初期結果を国際学術誌に発表した。さらに、従来モデルとの比較を開始し、まず、1990年代に行われてきたVolland-Sternの電場モデル[Volland,1973 ; Stern,1973]や双極子磁場など、比較的単純な電磁場モデルを用いた研究結果[e.g.,Fok et al.,1993 ; Jordanova et al.,1994]との比較を行っている。また、太陽風動圧の急激な上昇に伴い内部磁気圏に励起される電磁波動およびこの動圧上昇がリングカレント粒子に与える影響の研究も開始した。また、相対論的粒子の軌道を正確に解いて統計的に処理する放射線帯テスト粒子コードへの、環電流モデルからの場の提供に向けての検討を開始した。
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Research Products
(10 results)