| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 高晴 広島大学, 総合科学研究科, 准教授 (90196246)
田中 里志 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00252536)
野村 律夫 島根大学, 教育学部, 教授 (30144687)
入月 俊明 島根大学, 総合理工学部, 准教授 (60262937)
三瓶 良和 島根大学, 総合理工学部, 教授 (00226086)
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| Research Abstract |
本研究課題の目的は,主要な海跡湖群において小氷期以降の汎世界的な気候変動に起する古環境変動及び人為改変に起因する古環境変化を明らかにし,それらを識別した上で,個々の湖沼に対して人為改変がないと仮定した時の現在の湖沼環境を推定することである.
中海において,2m押し込み式ピストンコアラーを用いて計2本のコアリングを行った.これにより1840年の飯梨川の流路変更イベントを確認し,「さらにその後に洪水堆積物が確認された.これらのイベントは少なくとも2km先まで詳細に追跡することができた.
東郷池で予備調査及びコアリングを行った.東郷池では,河口堰で塩分を調整しているが,それを行うことによって,湖底環境が変化したと思われる.このコアリングでは年代を特定できなかった.
8月に能取湖において潜水して3本の精密なショートコアを採取した.コアリングは湖口側と奥側の最深部で採集した.能取湖は湖口を開削しており,その後の変化が記録され,富栄養化の過程が見られた.また,藻琴湖において,4m空気圧入式ピストンコアラーを用いてコアリングを行った.このコアからは,1739年の火山灰層が見られた.また,これらの解析をもとに藻琴湖に見られるラミナは,降水パターンと関連することが明らかとなった.1月には,濤沸湖において氷上から2m押し込み式ピストンコアラーを用いて1本のコアリングを行った.採集されたのは約80cmのみであったが,藻琴湖において見られた1739年の火山灰層が見られた.その火山灰層付近を境に,海成から低塩分汽水湖に変化したと思われる.これは江戸時代前期に旧湖口が閉鎖されたことを示唆している.
9月には,地質学会にて夜間小集会,1月には汽水域研究会でスペシャルセッション,3月にはMRC研究集会でトピックセッションを開催し,それぞれの研究成果の発表を行った.
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