2008 Fiscal Year Annual Research Report
花崗岩深部地下水に対する流体包有物組成の影響に関する研究
Project/Area Number |
20340149
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
黒澤 正紀 University of Tsukuba, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (50272141)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹 公和 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (20312796)
小松原 哲郎 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 講師 (10195852)
安間 了 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 講師 (70311595)
辻村 真貴 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (10273301)
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Keywords | 流体包有物 / 微量元素 / 花崗岩 / PIXE / ICP-MS / 地下水 |
Research Abstract |
平成20年度は、甲府岩体内部の流体包有物の分布と組成変化を検討するため、岩体調査と試料採取を中心に行った。甲府花由岩体は、地質状況が明瞭で、鉱脈・温泉が豊富で過去の流体挙動が追い易い岩体である。調査の結果、岩体全体には塩濃度が約8wt.%のNaCl水溶液を含む流体包有物が主に分布し、標高1200m付近にのみ塩濃度30wt.%NaClの流体包有物が分布することが分かった。これらの包有物は、花崗岩マグマが固結する際に放出された流体が周囲へ移動する過程で花崗岩本体に捕獲されてできたものである。これらの流体包有物を粒子線励起X線分析法(PIXE)で分析したところ、C1,K,Ca,Mn,Fe,Cu,Zn,Pb,Br,Sr,Rbが検出された。塩濃度が30wt.XNaClの流体包有物は、K,Ca,Feを1万wt.PPm以上、Mn,Cu,Zn,Pb,Brを数百一数千wt.pmmの濃度で含んでいた。花崗岩体の形成温度圧力条件から流体の発生条件を推定した結果、高塩濃度・高金属濃度の流体包有物は塩濃度8wt.%の流体が沸騰してできたことが分かった。 また、これらの包有物の他の微量元素のLA-ICP-MS分析を実施するため、既存のICP-MS装置に波長213nmのレーザーアブレーション装置を組み込み、専用の分析ラインを作成中である。
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