2008 Fiscal Year Annual Research Report
環状型テトラピロール錯体を活用する多核錯体ナノ構造体の高機能化
Project/Area Number |
20350029
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
阿部 正明 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (90260033)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久枝 良雄 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70150498)
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Keywords | 多核錯体 / テトラピロール / レドックス化学 / ナノ構造 / 固液界面 |
Research Abstract |
本研究は多核金属錯体と生体関連錯体およびそのハイブリッド体を対象としたナノサイズ分子を合成し、その光・電子機能、分子認識挙動、触媒機能の発現と制御に関する研究を行ない、金属錯体を主体とした新しい分子材料・触媒システムの創成を目指すものである。本年度は以下に示す成果を得た。 1)ワイヤー状連結構造体の合成と機能評価:ルテニウム三核錯体をユニットとした環状の構造体をワンポットで合成することに、架橋配位子をビス(4-ピリジル)プロパンとすることで成功した。各種分光法により化合物の電子状態を明らかとした。サイクリックボルタンメトリーにより酸化還元特性を明らかとした。また、紫外線照射によるCO脱離反応および空配位サイトヘのピリジンの導入に成功した。 2)4,4'-ビピリジンを架橋配位子とするワイヤー状連結体の単離に成功した。各種分光法により化合物の電子状態を明らかとした。サイクリックボルタンメトリーにより酸化還元特性を明らかとした。また、紫外線照射によるCO脱離反応を観測した。 3)ルテニウムを中心金属とする新規ポルフィセン錯体の合成とX線構造解析に成功した。サイクリックボルタンメトリーにより、酸化還元電位に与える軸配位子の影響やポルフィセン環側鎖の影響を調べ考察した。 4)コバルトを中心金属とするコリン錯体(ビタミンB12)の側鎖にピリジル基を導入した新規錯体配位子の合成に成功した。この錯体配位子を導入したルテニウム三核錯体を合成した。さらに、ルテニウム三核錯体の末端位にジスルフィド基を有する錯体を合成し、金電極表面へSAM修飾し、その酸化還元応答を観測した。また、XPSにより金基板表面に固定化した錯体の電子状態を解析した。
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Research Products
(15 results)