2010 Fiscal Year Annual Research Report
メカノストレスをトリガーとする分子集合法の開拓と機能性分子素子への応用
Project/Area Number |
20350066
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
直田 健 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (20164113)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今田 泰嗣 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (60183191)
小宮 成義 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (00301276)
|
Keywords | 発光 / 超音波 / 分子集合 |
Research Abstract |
サリチルアルジミン配位子を有する環状2核パラジウム錯体は、安定な有機溶液を短時間の超音波照射によって瞬時にゲル化する超分子ゲル化剤となることを見いだしている。本年度は、分子集合における開始反応、成長反応を含む反応解析を進め、ブロック集合、交互共集合などの精密集合制御法を開拓した。 洗濯ばさみ型(+)-Pd錯体と(-)-Pt錯体の1:1混合物に短い超音波を照射すると、それぞれ単独の組成では進行しないゲル化が、瞬間的に起こる。これは、従来その報告すらなかった交互共集合をヘテロキラルかつヘテロメタリックな要素で行うことを示したもので、その新規性は高い。ラセミ体の集合研究では、Pt錯体でのゲル化がラセミ体のPd錯体の集合より数倍速いにもかかわらず、これらの混合でブロック集合を生起せず、交互共集合を起こす。この特異現象における必須条件のヘテロキラル会合とヘテロメタリック会合の優先度の高さを応用することで、様々な集合様式の制御を行った。たとえば、Pd錯体の光学純度とPd/Pt混合比の変化による、交互一ブロック共集合構築などの複合体の精密制御を行った。上述の集合精密制御で得られた集合体をプラットフォームとする高機能性ゲルを開拓した。
|