2009 Fiscal Year Annual Research Report
自己集積型ヘムタンパク質超分子構造体構築への新しい取り組み
Project/Area Number |
20350079
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
林 高史 大阪大学, 工学研究科, 教授 (20222226)
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Keywords | 超分子 / ポリマー / ヘムタンパク質 / ミオグロビン / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度は、ナノバイオマテリアル創製に向けた、ヘムタンパク質(チトクロムb562変異体)と金界面のコンジュゲート作成を精力的に行った。まず、金ナノ粒子表面にヘムを結合させ、その溶液にアポヘムタンパク質(ヘムをヘムタンパク質から除いたタンパク質部分)を加え、ヘムタンパク質を金ナノ粒子表面に修飾した。さらに、ヘムタンパク質ダイマーのアポ体と、ヘムを表面に有する金ナノ粒子を共存させることにより、金ナノ粒子の集合体を得ることを電気泳動によって確認した。この集合体は、電子顕微鏡(S脳及びTEM)及び原子間力顕微鏡(AFM)にて観測を行い、金ナノ粒子が、規則正しくタンパク質を間に介して並ぶ構造をとっている。この金コロイド集合体については、今後、色々なデバイス(電子回路・触媒等)として応用可能と期待される。次に、金基板表面にヘムを修飾し、その基板上にヘムタンパク質を並べることを試みた。特に、ヘムをヘムタンパク質表面上に共有結合で結合したアポタンパク質を滴下することによって、金基板に5~6層のヘムタンパク質を積層することが可能となった。この積層状態は、QCM及び電気化学的測定から同定した。このヘムタンパク質修飾金基板を用いて、メチルビオロゲンをメディエーターとして添加した際に、光電変換を行った結果、高効率電流を獲得することに成功した。こちらの系に置いても、今後人工光合成系として、さらなる工夫を行う予定である。
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