2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属被服リポソーム「メタロソーム」の作製とマニピュレーション機能
Project/Area Number |
20350080
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 純一 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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Keywords | 自己組織化 / 超薄膜 / 複合ナノ材料 / 人工細胞膜 / メタロソーム / セラソーム / DNA / 無電解めっき |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが独自に開発した高強度の人工細胞膜「セラソーム」の特徴を活かして、その表面に更に金属の超薄膜構造を導入した新規の有機-無機-金属ナノ複合体「メタロソーム」を開発し、特異的マニピュレーション機能の発現を目指した。本年度の成果を以下にまとめる。 1.メタロソームの作製と構造・物性の評価 頭部にトリアルコキシシリル基をもち二つの疎水性鎖を有する脂質を水に分散して形成したセラソームに、無電解めっき法を適用することで、ベシクル表面を金属超薄膜で被覆したメタロソームを作製した。無電解めっきの処理温度や時間をコントロールすることで、金属薄膜層の厚みをlnm単位で制御できることがわかった。金あるいは銀で被覆したメタロソームは、表面プラズモン吸収を示し、センサー機能をもったカプセル型ナノ粒子へ展開できる可能性が示唆された。磁性合金で被覆したメタロソームは、外部磁場によるマニピュレーションが可能であることを蛍光顕微鏡観察によって明らかにした。 2.DNAタグをもつセラソームの作製と分子認識能の評価 オリゴヌクレオチド鎖に疎水性の膜結合部位を導入したDNAタグを設計し、これをセラソーム等の二分子膜ベシクルに固定化した。セラソーム表面においても、水中と同様にオリゴヌクレオチド鎖間の相補的分子認識挙動が認められた。その結果、DNAタグをもつセラソームの選択的なマニピュレーションが可能であることがわかった。
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Research Products
(8 results)