2009 Fiscal Year Annual Research Report
金属被覆リポソーム「メタロソーム」の作製とマニピュレーション機能
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20350080
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 純一 Nara Institute of Science and Technology, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (90545716)
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Keywords | 自己組織化 / 超薄膜 / 複合ナノ材料 / 人工細胞膜 / メタロソーム / セラソーム / DNA / 無電解めっき |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが独自に開発した高強度の人工細胞膜「セラソーム」の特徴を活かして、その表面に更に金属の超薄膜構造を導入した新規の有機-無機-金属ナノ複合体「メタロソーム」を開発し、特異的マニピュレーション機能の発現を目指した。本年度の成果を以下にまとめる。 1.メタロソームの磁気マニピュレーション:無電解めっき法を用いて、セラソーム表層に磁性金属の超薄膜を作製する条件の最適化を行った。また、セラソームへの磁性ナノ粒子の被覆についても検討し、磁気マニピュレーションが可能であることを示した。さらに、ベシクル構造では無く、ディスク構造をもつセラソーム型人工細胞膜も新たに開発した。 2.メタロソームの光マニピュレーション:光に応答して分子認識能が変化する分子スイッチを脂質二分子膜ベシクルに組み込むことで光マニピュレーション機能が発現することを明らかにし、この系がセラソームならびにメタロソームへも展開可能であることを示した。 3.メタロソームのDNAタグによるマニピュレーション:脂質二分子膜ベシクルにオリゴヌクレオチド脂質を組み込むことで、DNAタグによるマニピュレーションが可能であることを明らかにした。また、表面電荷やドメイン形成を制御することで、セラソームやメタロソームにおいてもDNAタグによるマニピュレーションシステムを構築できる可能性が示された。 以上の成果は、生体系にみられるメンブレントラフィックシステムに類似した高次の情報分子輸送システムへの展開が期待される。
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Research Products
(9 results)