2011 Fiscal Year Annual Research Report
金属被覆リポソーム「メタロソーム」の作製とマニピュレーション機能
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20350080
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
菊池 純一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 教授 (90153056)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安原 主馬 奈良先端科学技術大学院大学, 物質創成科学研究科, 助教 (90545716)
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Keywords | 自己組織化 / 超薄膜 / 複合ナノ材 / 人工細胞膜 / メタロソーム / セラソーム / DNA / 無電解めっき |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが独自に開発した高強度の人工細胞膜「セラソーム」の特徴を活かして、その表面にさらに金属の超薄膜構造を導入した新規の有機-無機-金属複合ナノ材料「メタロソーム」を開発し、特異的マニピュレーション機能の発現を目指す。平成23年度に得られた成果は以下のとおりである。 1.メタロソームの磁気マニピュレーション: メタロソームの構造テンプレートとなる有機-無機ナノハイブリッドとして、ベシクル構造をもつセラソームやディスク状のシリカバイセルを種々作製し、それらの構造や物性、ドメイン形成能、分子認識にもとづく物質輸送能や物質変換機能を明らかにした。また、金属組成を種々変化させたメタロソーム類を作製し、磁気マニピュレーション機能について検討を行った。 2.メタロソームの光マニピュレーション: メタロソームの前駆体となる脂質二分子膜ベシクルに、アゾベンゼン部位をもつ光応答性分子スイッチを脂質ベシクルに導入することで、光シグナルによるベシクル集積制御系や、光シグナルによる酵素反応スイッチング系を開発した。 3.メタロソームのDNAタグによるマニピュレーション: メタロソームの前駆体となる脂質二分子膜ベシクルに、コレステリル基を修飾したDNAタグを装着することで、DNAタグと相補的水素結合が可能なDNAシグナルの入力によって、ベシクル集積状態や分子情報変換のマニピュレーションが可能になることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成23年度に計画していた、人工細胞膜に関する磁気マニピュレーション、光マニピュレーション、DNAタグによるマニピュレーションについては、いずれも研究成果に進展がみられ、メタロソーム系への展開が可能であることが示されたため。
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Strategy for Future Research Activity |
基本的には、これまでの研究成果をさらに拡張しながら研究を推進する。磁気マニピュレーションに関しては、磁性合金などの金属超薄膜を被覆したメタロソーム及びその類縁体を作製して、磁場によるマニピュレーション機能の発現を目指す。光マニピュレーションに関しては、光応答性の分子スイッチをメタロソームに組み込んで機能評価を行う。DNAタグによるマニピュレーションに関しては、脂質ラフト様のドメイン構造を有するメタロソームを用いて検討を行う。さらに、これらの機能を複合化したメタロソームを作製して、マニピュレーションの論理応答系の構築を目指す。
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Research Products
(18 results)