2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20350108
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
小林 尚俊 National Institute for Materials Science, 生体材料センター, グループリーダー (90354266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 千晶 独立行政法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究員 (10447930)
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Keywords | ナノ材料 / 生体材料 / ナノバイオ / 構造・機能材料 / 高分子合成 |
Research Abstract |
細胞膜上の受容体や接着分子の分子認識はナノメートルの大きさで規定されており、材料表面への生体分子(タンパク、脂質、糖鎖)の吸脱着や細胞の接着・非接着などを人工的に制御するためには、ナノメートルオーダーの分子設計からミクロ-マクロの高次構造の制御が必須不可欠である。そこで本研究提案では、生体材料の構造制御による機能向上およびその機構解明を試みる。 [1]リビングラジカル重合によるナノファイバーの精密表面修飾および配列制御 本年度は、親水性高分子であるPHEMA、PEGMA、PHEAの表面リビングラジカル重合法に関してシリコン基板をモデル表面として用い、グラフト重合条件の最適化を行なうとともに、到達可能なグラフト密度、グラフト鎖長などの情報を収集した。 [2]磁場によるナノファイバーの配列制御 今年度は、分散系のナノファイバー作製技術開発と磁場における配列制御の可能性を探索した。エレクトロスピニングでPGA-Collagenのナノファイバーをバスコレクターを用いて調整し、その後高速ホモジナイザーを用いて水中に分散し鹸濁液を作成する技術を開発した。このファイバーを超伝道コイルを利用して10Tの磁場の中心付近にキャスト用のシャーレを配備し15時間程放置しシャーレ上にキャストし配向構造を示すか探索した。この結果、一部でファイバーの配向が認められた。しかし、相当の乱れ構造も観察され、詳細な条件設定を今後継続する。 [3]配列したナノファイバーの細胞足場としての評価の研究項目では、本年度は生物が既に形作った高次構造体が持つ真の機能を検証して、ボトムアップで作り上げるナノファイバー構造体が示す細胞足場としての機能のベンチマークとして、豚角膜から細胞組織のみを除去してコラーゲンナノファイバーの高次構造体を作製し、角膜再生足場としての評価を行なった。兎角膜にポケットを作成し、長期観察を行なった結果、初期的に不透明だった足場が、3週間程度で透明化することがわかり、ナノファイバーによる光学格子構造の形成が示唆された。
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Research Products
(29 results)
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[Presentation] 新水性濃厚ポリマーブラシの生体適合性2009
Author(s)
吉川千晶, 橋本良秀, 服部晋也, 辻井敬亘, 岸田晶夫, 小林尚俊
Organizer
特別推進研究「濃厚ポリマーブラシの科学と技術」公開シンポジウム
Place of Presentation
ホテルセントノーム京都,京都,日本
Year and Date
2009-03-27
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[Presentation] 濃厚ポリマーブラシの生体適合性2009
Author(s)
吉川千晶, 橋本良秀, 服部晋也, 辻井敬亘, 岸田晶夫, 小林尚俊
Organizer
第13回高分子表面研究討論会
Place of Presentation
東京工業大学 百年記念館フェライト会議室,東京,日本
Year and Date
2009-01-30
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[Presentation] 高圧印加処理を用いた脱細胞化による人工角膜開発の試み2008
Author(s)
服部晋也, 木村剛, 吉川千晶, 舩本誠一, 橋本良秀, 佐々木秀次, 望月學, 南広祐, 藤里俊哉, 北村総一郎, 岸田晶夫, 本田貴子, 小林尚俊
Organizer
日本バイオマテリアル学会シンポジウム2008
Place of Presentation
東京大学本郷キャンパス,東京
Year and Date
20081117-20081118
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[Presentation] STRUCTURAL FEATURES OF DECELLULARIZED CORNEA USING ULTRA HIGH HYDROSTATIC PRESSURIZATION METHOD2008
Author(s)
服部晋也, 木村剛, 吉川千晶, 舩本誠一, 橋本良秀, 佐々木秀次, 藤里俊哉, 本田貴子, 岸田晶夫, 小林尚俊
Organizer
2008 TERMIS-AP
Place of Presentation
Chien-Tan Overseas Youth Activity Center Taipei, Taiwan
Year and Date
20081106-20081108
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[Presentation] EVALUATION OF DECELLULARIZED CORNEA MADE BY ULTRA HIGH HYDROSTATIC PRESSURIZATION METHOD AS A SCAFFOLD FOR CORNEAL STROMA2008
Author(s)
本田貴子, 木村剛, 吉川千晶, 舩本誠一, 橋本良秀, 佐々木秀次, 藤里俊哉, 服部晋也, 岸田晶夫, 小林尚俊
Organizer
2008 TERMIS-AP
Place of Presentation
Chien-Tan Overseas Youth Activity Center Taipei, Taiwan
Year and Date
20081106-20081108
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[Presentation] 脱細胞化処理による角膜実質の微細線維構造の変化に関する研究2008
Author(s)
服部晋也, 木村剛, 吉川千晶, 舩本誠一, 橋本良秀, 佐々木秀次, 望月學, 南広祐, 藤里俊哉, 北村総一郎, 岸田晶夫, 本田貴子, 小林尚俊
Organizer
第57回高分子討論会
Place of Presentation
大阪市立大学杉本キャンパス,大阪市
Year and Date
20080924-20080926
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[Presentation] Structure evaluation of Porcine Cornea Decellularized by Ultra High Hydrostatical Pressurization2008
Author(s)
小林尚俊, 木村剛, 舩本誠一, 橋本良秀, 佐々木秀次, 服部晋也, 望月学, 本田貴子, 藤里俊哉, 岸田晶夫
Organizer
E-MRS、Polish Materials Science Society
Place of Presentation
Warsaw University of Technology, warsaw, Poland
Year and Date
20080915-20080919
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[Presentation] 脱細胞化角膜を用いたがん化用足場材料の研究2008
Author(s)
舩本誠一, 橋本良秀, 佐々木秀次, 本田貴子, 服部晋也, 望月学, 藤里俊哉, 木村剛, 小林尚俊, 岸田晶夫
Organizer
第37回医用高分子シンポジウム
Place of Presentation
上智大学,東京
Year and Date
20080728-20080729
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