2008 Fiscal Year Annual Research Report
新しい結晶構造を持つ窒化アルミニウムの物性制御と深紫外発光デバイスへの展開
Project/Area Number |
20360008
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
須田 淳 Kyoto University, 工学研究科, 准教授 (00293887)
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Keywords | 窒化物半導体 / 窒化アルミニウム / ポリタイプ / 炭化珪素 / エピタキシー / 紫外線発光素子 |
Research Abstract |
4H-AlGaNの成長の確立を目指し研究を進めた。RFプラズマ援用分子線エピタキシー法により、4H-SiC無極性面基板上にGaNモル分率を変化させて、AlGaNを成長し、成長層を、XRDやTEMで評価し、結晶構造、結晶欠陥(積層欠陥、転位密度)を評価し、少なくともGaNモル分率が10%程度までは、結晶性の悪化無く、4H構造のAlGaNが成長可能であることを明らかにした。また、AlGaNの成長実験の過程で、無極性面上では、Gaの取り込みが面方位によって著しく異なることを見出した。これは、4H構造AlGaNだけでなく、6H-SiC無極性面基板を用いて成長した2H構造AlGaN成長でも再現されることを確認し、無極性面AlGaNの普遍的な現象であることを明らかにした。さらに、AlGaNの成長条件が確立されたので、試験的に4H構造AlGaN/AlN多重量子井戸構造の作製を試みた。作製した量子井戸構造をTEMにより評価したところ、AlGaN/AlNヘテロ界面における転位や積層欠陥の生成は見られず、下地の4H構造AlNテンプレートの品質を引き継いだ、高品質な構造であることが明らかになった。この量子井戸構造から、カソードルミネッセンスにより深紫外の発光を確認し、励起強度にピーク波長が依存しない、無極性面上多重量子井戸の特色である内部電界フリーを確認した。以上のように、高品質4H構造AlGaNが成長可能で、AlGaN/AlN多重量子井戸構造作製においても、新たな欠陥の発生の問題も無いことを確認し、今年度の研究目標を達成した。
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Research Products
(4 results)