2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360009
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 佳均 Kyoto University, エネルギー科学研究科, 准教授 (50275286)
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Keywords | 新機能材料 / フォトニック結晶 / 磁気光学効果 / シリサイド / 光変調器 / ホイスラー合金 / 強磁性体薄膜 / イオン散乱 |
Research Abstract |
(1)ホイスラー合金膜の磁化と結晶軸配向性との関係 半導体基板上の磁性膜では,基板と薄膜との剛性の違いから膜ひずみが生じ外部印加磁場に対する面内磁化が不均一になる危惧がある.そこで軸配向が良好なホイスラー合金:DO3規則格子Fe4Si, Fe3SiおよびL21規則格子Fe2MnSi薄膜,そして新たな候補としてFe2CoSi, Co2FeSiについて,これまで基礎データを蓄積してきたラザフォード後方散乱によるイオンチャンリング測定を継続した.その結果,結晶軸配性と磁化特性,磁気光学特性との強い相関を見出し,マグネトフォトニック結晶の作製にはFe4Si, Fe3SiおよびFe2CoSiが最適であることを見出だした. (2)マグネトフォトニック結晶光導波路での磁場変調 200nm膜厚Fe4Si/Si基板にセルフリフトオフ・プロセスとシリコン成膜プロセスを用いて磁気光学効果の基礎実験ができる単純なコラム径が数百ナノメートルの磁気格子パターンと光導波路(シリコン)を形成した.シリコン導波路からの赤外波長の偏光散乱測定を行い,外部磁場による縦,横カー効果に起因した1次回折光の強度変調と偏光変調が確認できた. (3)磁気光学効果の測定 観察面に対して印加磁場を精密に変化させるために小型電磁石を搭載したレーザーカー顕微鏡を作製した.面内磁気格子の磁化パターンの検出を試みたが,当初の予想を超えた大きな面内磁化不均一性のために定量的な磁化パターンの観察ができなかった.これはパターン形成プロセスの不均一性が原因である.磁気光学スペクトル,磁化ヒステレシスの測定からホイスラー合金Fe4Si, Fe3SiおよびFe2CoSiはカー回転が鉄薄膜より大きく,保持力の小さいことが明らかになった.したがって.これらはマグネトフォトニック結晶には最適な薄膜である.
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