2009 Fiscal Year Annual Research Report
フラーレンー黒鉛ハイブリッド超潤滑材料表面解析用摩擦力顕微鏡シミュレータの開発
Project/Area Number |
20360022
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
佐々木 成朗 Seikei University, 理工学部, 教授 (40360862)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / トライボロジー / フラーレン / 表面・界面物性 / ナノ材料 / 超潤滑 / 接着 / グラフェン |
Research Abstract |
1. C_<60>分子超潤滑ベアリングの異方性 初年度開発した超低摩擦特性解析シミュレータを用いて、C_<60>分子ベアリング系(グラファイト/C_<60>/グラファイト界面)の走査方向依存性を発見し、グラファイト系(グラファイト/グラファイト/グラファイト界面)と比較した。計算で得られた摩擦力は、[1010]方向の非常に狭い領域でピークを示し、他の走査方向では、1pN以下でほぼ一定の値を取っている。特に[1230]方向では、摩擦力はほぼゼロとなった。水平力曲線の振る舞いは、六員環を介したC_<60>分子の炭素結合上の滑りと、隣接AB積層サイト上への不連続ジャンプを反映している事が明らかになった。摩擦力の荷重依存性は上記の異方性を顕著に反映する振る舞いを見せた。荷重依存性の結果からシミュレーションによって得られた摩擦係数の大きさは、これまでに我々のグループの実験で得られた摩擦係数の大きさとほぼ等しいオーダーになった。(N. Itamura, K. Miura, N. Sasaki : Jpn. J. of Appl. Phys. 48,060207(2009)) 2. グラフェンシートの超潤滑 C_<60>分子ベアリング系のスライド部分であるグラフェンシートの剥離過程における面接触時の超潤滑スライド運動を計算し、水平方向の摩擦力の振る舞いと同期した振る舞いが垂直方向の剥離力に現れる事を示した。(N. Sasaki, H. Okamoto, N. Itamura, K. Miura : e-J. Surf. Sci. Nanotech. 8,105(2010))
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Research Products
(38 results)