2010 Fiscal Year Annual Research Report
極限時間域光電場の位相・振幅制御による単分子スイッチの開発
Project/Area Number |
20360025
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
森田 隆二 北海道大学, 大学院・工学研究院, 教授 (30222350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸田 泰財 北海道大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (00313106)
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Keywords | 超広帯域光パルス / 分子コンフォメーション / モノサイクル光パルス / 軌道角運動量 / 光渦 / アブレーション / 偏光渦 / 閉ループ電子コヒーレンス |
Research Abstract |
本研究の目的は、極限時間域光電場位相・振幅制御技術、超広帯域コヒーレントフェムト秒レーザー位相・振幅制御技術、および非線型レーザー分光技術を用いて、1)構造異性体を有するアゾベンゼン単分子の光誘起コンフォメーションダイナミクスを解明すること、2)単分子コンフォメーションをダイナミカルに制御することにより、光をトリガーとする高速応答電子輸送単分子スイッチの開発を行うことである。本年度は、超広帯域コヒーレントフェムト秒位相・振幅制御技術として、特に、分散のない超広帯域光渦(位相渦、偏光渦)の発生・制御技術を用いた物質との相互作用実験を行い、さらに発展させた。 1.超短光パルスから光渦を発生させ、非線型光学物質と相互作用させることにより、複合光渦を発生させた。この複合光渦の伝播特性を調査したところ、これらの複合光渦は伝播に伴い、相互距離を変化させながら回転することを見出した。さらに、この現象は非線型結晶内のウォークオフ効果により説明されることを明らかにした。 2.偏光で表されるスピン角運動量sと光渦の面内位相回転数で表される軌道角運動量lを同時に有する高出力ナノ秒光渦パルスを用いてTa金属表面のアブレーション実験を行った。l,sが異符号である光渦を用いた場合は鋭い針状構造が形成されないのに対し、同符号である光渦を用いると、光渦のビームサイズが130μmにもかかわらず、光渦中心部分に太さ0.5μm、長さ10μmの鋭い針状構造が形成されるあることを見出した。この結果は、光のスピン・軌道角運動量合成を有効に用いた初めてのアブレーション実験例である。
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Research Products
(15 results)