2009 Fiscal Year Annual Research Report
プラズモニックエッジ構造の光超集束による新光機能素子
Project/Area Number |
20360032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高原 淳一 Osaka University, 大学院・基礎工学研究科, 准教授 (90273606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久武 信太郎 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 助教 (20362642)
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Keywords | 表面プラズモン / プラズモニクス / プラズモニック導波路 / 超集束 / radial偏光 / 負屈折 / ブルズアイ構造 / 光アンテナ |
Research Abstract |
本研究の目的はプラズモニックエッジ構造の特異な物理を解明し、これを利用した新機能光デバイスを生み出すことである。今年度は金属テーパー構造の超集束効果やプラズモニック導波路の負屈折の解明などの基礎研究に加えて、新しいデバイス提案とその実証において計画以上の進展があった。具体的な研究成果は以下の通りである。 1. テーパー型プラズモニック導波路のうち、特に放物体および放物筒における表面プラズモンモードの解析解の性質を解明した。これにより昨年度までの成果と合わせて、ナノ領域への光エネルギー集束にとって重要な、金属テーパー構造の解析解に関する系統的な解明に成功したといえる。 2. プラズモニック導波路において、負屈折の観測される条件を理論的に明らかにした。金属ギャップと金属薄膜において、伝搬モードに本質的な違いがあることがわかった。特に薄膜の負屈析は正屈折に覆い隠され観測できないと考えられていたが、フェムト秒パルスにより観測できる可能性を示した。負屈折はスーパーレンズなどの新たな機能への応用が期待できる。 3. 扇形ナノ開口をリング状に配列したナノ光カップラーにおいて、radial偏光やazimuth偏光ピームに対する応答を実験的に調べた。隣接する扇形エッジ間の結合のために、予想に反してazimuth偏光の方がリング中央部への集束効果が高いことを見出した。これは偏光制御光ビームとプラズモニクスとの接点であり、プラズモニクスの新たな展開に道を拓くといえる。 4. 光ファイバー端面にテーパーコーンを設けたプラズモニックエッジ構造に、ブルズアイ構造や光アンテナなどの金属ナノ構造を追加することにより表面プラズモンを増強させ、それを介してファイバーの高次モードを励起する新規モードカプラーを提案し、動作を実証した。これはプラズモニクスとファイバー光学との融合であり、今までにない応用展開といえる。
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Research Products
(34 results)