2008 Fiscal Year Annual Research Report
ボロンドープした半導体ナノダイヤモンドの開発とグルコースセンサーへの応用
Project/Area Number |
20360056
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
村上 理一 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00112235)
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Keywords | 材料加工・処理 / 半導体ダイヤモンド / グルコースセンサー / 酵素反応 / 表面・界面物性 |
Research Abstract |
本年度はバイオセンサーの基板となるナノダイヤモンド薄膜にボロンドープするときの最適なボロンドープ条件を結晶構造、ボロン含有量、電気抵抗率および電気化学特性から検討した。また、より大量のグルコースが安定的に固定できるナノダイヤモンドの開発とその表面に効率よく酵素を固定化する方法を確立した。以下にその概要を示す。 1)ラマン分光法による評価の結果,導入ボロン濃度の増加に伴いボロンドープダイヤモンド(BDD)薄膜のダイヤモンドピーク(1332cm^<-1>近傍)減少すること、ナノダイヤモンド(NCD)に関連するピークが増加することがわかった。また、SEM観察の結果からも同様の傾向が観察され、導入ボロン濃度5000ppmでは極めて微細なナノ結晶からなる膜が形成していた。したがって、BDD結晶は導入ボロン濃度の増加に伴い微細化することがわかった。 2)BDD薄膜の電気抵抗率は、導入ボロン濃度の増加に伴い減少することがわかった。 3)BDD薄膜表面の水素結合量は、導入ボロン濃度5000ppmの場合が最大になると考えられる。 4)導入ボロン濃度を変化させることにより、BDD薄膜表面の化学結合状態に相違が生じることがわかった。特に、導入ボロン濃度5000ppmで作製したBDD薄膜は、薄膜表面の化学反応性が高かったことから、化学修飾に適していると考えられる。 5)今回の化学処理方法では、十分な量のカルボキシル基への置換が達成できなかったため、化学修飾の成否をFT-IRで正確に評価することができなかった。今後、異なる有機官能基への置換、新たな化学処理方法の確立について検討していく必要がある。
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Research Products
(2 results)