2010 Fiscal Year Annual Research Report
高静水圧環境を利用した硬脆材料の無欠陥微細塑性加工法
Project/Area Number |
20360064
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉野 雅彦 東京工業大学, 理工学研究科, 教授 (40201032)
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Keywords | 硬脆材料 / 微細加工 / 押し込み試験 / 切削試験 / 破壊機構 / 無欠陥加工 / 高圧技術 / 材料特性 |
Research Abstract |
平成22年度は、昨年度明らかになった、静水圧の破壊抑制効果の加工法による違いを主に検討した。高静水圧環境下微細押込み加工実験装置と切削加工実験装置、二次元切削加工実験装置を用い、それぞれの加工法の違いによる加工欠陥の発生状況の違い、臨界加工量の違い、加工荷重の違いなどを調べた。また被加工材として単結晶シリコン(ウエハ)、ソーダガラス、石英ガラスなどを用い、材料による加工特性の違いも検討した。 その結果、加工法の影響については、切削加工においては加工欠陥の起点が刃先近傍、すなわち材料内部にあるため静水圧により亀裂進展が抑制されるのに対して、押し込み加工では材料表面から加工欠陥が発生するため圧力媒体が亀裂内に浸入し静水圧の効果を打ち消してしまうためと推察された。ただしより高い静水圧では押し込み加工でも加工欠陥が抑制される可能性があり、今後更なる検討が必要である。 被加工材の違いによる加工状況の違いについては、ソーダガラスでは表面に生じる水和層の影響が考えられた。また単結晶シリコンでは結晶方位の影響が大きく、(111)面の切削において<100>方向の切削では延性モード切削となり易く、それに対して<110>方向の切削では税制モード切削が生じ安ことが分った。さらに単結晶シリコンの切削仕上げ面下に生じる転位組織を超高圧TEMを用いて観察した。これにより結晶方位の違いにより仕上面直下の転位構造に違いがあることが明らかになった。さらに静水圧が転位構造に影響する可能性が示唆された。この影響については今後更なる検討が必要である。
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Research Products
(6 results)