2008 Fiscal Year Annual Research Report
大気開放プラズマを用いた無歪高能率ナノ精度形状創成プロセスの開発
Project/Area Number |
20360068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 和也 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授 (60240074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是津 信行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10432519)
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Keywords | 大気圧プラズマ / ATカット水晶ウエハ / 数値制御加工 / プラズマCVM / パルス変調プラズマ |
Research Abstract |
ATカット水晶ウエハの厚さ分布を均一化するプロセスに対して大気開放型のプラズマプロセスを適用した場合、加工速度増加のために印加電力を上げると、熱応力による基板割れが問題となっていた。そこで、印加する高周波電力を連続波(CW)からパルス変調(PM)とすることにより、加工速度の増加と基板温度の低下を両立することを検討した。パルス変調の条件として、繰り返し周波数50kHz、duty比40%、平均投入電力を160Wとした場合、同一平均電力の投入条件下においてはCWプラズマを適用した場合と比較して、約2.5倍の体積加工速度が得られた。このときのプラズマオン時間は8μsec、プラズマオフ時間は12μsecであり、プラズマオン時における印加電圧の波高値は160×100/40=400W相当である。パルス変調プラズマを適用することで、瞬間的に高い電圧の印加が可能となり、反応種であるフッ素ラジカル(プロセスガスはHe,CF_4,O_2)の生成量が増大するとともに、プラズマオフ時間の導入によってガスが冷却されることによって基板への熱流入が低減し、熱応力による基板の破損を防止できると考えられる。また、平均投入電力を一定にしているにも関わらず、duty比50%と60%の時は、CWプラズマの時と比べて体積加工速度は小さくなった。これは、PMプラズマ適用時は、投入電力とフッ素ラジカル生成量との関係が非線形であり、duty比を小さくして、プラズマオン時における電圧波高値を増大させるほうがラジカル生成量の増加に効果的であることが示唆された。
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