2010 Fiscal Year Annual Research Report
大気開放プラズマを用いた無歪高能率ナノ精度形状創成プロセスの開発
Project/Area Number |
20360068
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山村 和也 大阪大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (60240074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
是津 信行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教 (10432519)
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Keywords | 大気圧プラズマ / SiC / スクラッチフリー / ダメージフリー / 水蒸気プラズマ / OHラジカル / 研磨 |
Research Abstract |
4H-SiC(0001)基板に対してヘリウムベースの水蒸気プラズマを照射するとともに、アルミナおよび酸化セリウム砥粒を用いたプラズマ援用研磨実験を行った。XPS測定の結果、水蒸気プラズマの照射により表面が酸化され、酸化膜とSiCの界面にはSi-C-Oの遷移層が存在することが分かった。プラズマ援用研磨においてアルミナ砥粒を用いた場合には面内方向にうねりを有するステップテラス構造が観察されたのに対し、セリア砥粒を用いた場合にはうねりのない理想的なステップテラス構造が得られた。硬度が高いアルミナ砥粒の場合には、ランダムな運動によってSiC界面の遷移層が除去され、遷移層が除去された部分は酸化が進行するためにうねりを有するステップテラス構造が形成されたと考えられる。軟質の酸化セリウムを用いた場合は、界面層が除去されずに常にSiC上に残留しながら除去加工が進行するため、基板の結晶性ならびに結晶方位の傾きに依存する理想的なステップテラス構造が形成されたと推測される。また、酸化セリウム砥粒を用いた反応焼結SiC基板のプラズマ援用加工においては、ダイヤモンド砥粒を用いた通常の研磨と比較して加工面に形成されるスクラッチの密度とその深さとを大幅に減少することができ、金型作製における高品位仕上げ法としての有用性を示せた。 今後、プラズマ援用研磨における除去メカニズムを解明するとともに、プラズマ照射条件ならびに砥粒の材質と運動方法等の最適化により研磨レートの向上を図る。
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