2009 Fiscal Year Annual Research Report
透明固体基板内部で回転する光駆動マイクロモーターの開発と応用
Project/Area Number |
20360115
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
松尾 繁樹 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20294720)
|
Keywords | マイクロ・ナノデバイス / 光ピンセット / マイクロマシン / フェムト秒レーザー加工 / エッチング / サファイア |
Research Abstract |
本研究では,フェムト秒レーザーパルスの集光照射とそれに続くエッチングとによる透明固体材料の内部加工技術によるマイクロモーターの作製と,基板内部に存在するマイクロモーターの非接触光駆動に関して,引き続き研究を行った。 難加工材料であるサファイアの加工において,前年度に,エッチング時の温度を上げることによりエッチングが促進されること,しかしながら高温かつ長時間のエッチングにより表面に三角あるいは六角形状のピットが発生すること,レーザ照射を高エネルギー・高密度にすることもエッチングを促進するがこの場合にはクラックが生じやすくなることを見出した。表面ピットおよびクラックの発生を避けながら大体積のエッチングを行う方法論として,最初にエッチング領域の最外壁のみを除去し,次にその内側を除去する,2サイクルプロセスを試みた。この方法では,全領域を一度に除去する場合に比べ,クラックの発生が抑制されると予測される。つまり,最初のサイクルでは照射部位が再外壁のみであるため蓄積するストレスが少ないこと,二番目のサイクルでは再外壁がすでに除去されているためストレスが外部に伝わらないことによる。そこで,双方のサイクルともに,通常ならばクラックが発生するような条件でレーザー照射を行いい比較的穏やかな条件でエッチングすることで,ピットとクラックを同時抑制しつつ各辺の長さが約10マイクロメートルの立方体状の空洞をサファイア基板の表面から約10マイクロメートル下部に作製することに成功した。
|
Research Products
(6 results)