2009 Fiscal Year Annual Research Report
画像形成技術によるデジタルマイクロファブリケーション
Project/Area Number |
20360121
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川本 広行 Waseda University, 理工学術院, 教授 (50318763)
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Keywords | マイクロファブリケーション / 精密・情報機器 / バイオメカニクス / 微細プロセス技術 |
Research Abstract |
メカトロニクスやエレクトロニクス、さらには再生医療などの分野で、デジタルオンデマンドで2次元、3次元の微細構造を創成する技術に対する大きなニーズがある。このような要請にこたえるために、画像形成装置として目覚しい発展を遂げているインクジェットプリンタやレーザプリンタの技術を利用する研究が注目されている。本年度における研究では、平成20年度の基礎的な研究を継続するとともに、研究結果を体系化し、かつ実用化を目指した研究を行う。具体的には、下記の研究を行った。 0.静電インクジェット現象の解明 実験・解析結果をまとめて、静電場における流体の挙動に関する体系的な理論を構築した。 1.マスクレスの電子回路直接描写 絶縁基板上に任意の電子回路をデジタルオンデマンドで直接描画できる技術を開発した。平成20年度の研究でDot-on-Demandでドット径10ミクロン以下の液滴形成が可能となっており、原理的には任意の回路描写は可能であるが、現実には、着弾精度、ペーストの乾燥、ノズルのつまりなどの工学的な問題があるため、これらへの対応も含めた開発を行った。 2.マイクロ成膜 電子写真の感光体膜を、マイクロ成膜を利用してコーティングする技術を開発し、メーカへ技術移管した。従来のデイップコーティングにかわる、最小限の塗布液剤でコーティングできる環境適性のよい技術の見通しが得られたため、今年度はさらにマルチノズル化などの実用化を目指した研究を行った。 3.3次元マイクロラピッドプロトタイピング 基板上に任意の3次元形状をデジタルオンデマンドで積層する技術を開発した。電子回路の場合と同様に原理的には任意の3次元積層は可能であるが、現実には、電子回路と同様の問題があるため、これらに着目した研究を行った。 4.再生医療用3次元生体組織創成 具体的な医療ニーズに対応する3次元生体組織の創成を実証した。
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