2009 Fiscal Year Annual Research Report
塩害とASRの複合劣化構造物に対する電気化学的リハビリテーション手法に関する研究
Project/Area Number |
20360204
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
上田 隆雄 The University of Tokushima, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 准教授 (20284309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 裕之 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (00035651)
橋本 親典 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (10180829)
渡邉 健 徳島大学, 大学院・ソシオテクノサイエンス研究部, 助教 (50332812)
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Keywords | 塩害 / ASR / コンクリート / HPFRCC / 陽極システム / 電気化学的手法 / 防食効果 / 膨張抑制効果 |
Research Abstract |
本研究では,塩害とASRの複合劣化構造物を想定し,効果的な電気化学的リハビリテーション手法を開発することを目的として実験的検討を行うこととする。平成21年度は,前年度に作製したHPFRCCを陽極層に用いた通電用供試体に対して通電処理を実施した後に,促進ASR環境に保管し,防食効果とASR膨張抑制効果を検討した。平成21年度に得られた結果を以下に要約する。 (1) リチウム塩としてLiOHおよびLiNO_3を添加したHPFRCCを陽極システムに用いた供試体に対して,1A/m^2の電流密度で8週間または50mA/m^2の電流密度で16週間通電したところ,経時的な電極間電位差の増大は見られたものの,大きな問題は無く通電を完了できた。 (2) 50mA/m^2の電流密度で通電を行った供試体について,復極量を定期的に測定したところ,通電期間を通して防食効果の隣安である100mVシフトを満足していた。 (3) 通電に伴ってコンクリート中における各種イオンの移動が見られたが,リチウムイオンの浸透は表層30mm程度にとどまる傾向を示した。1A/m^2の電流密度で通電した場合には,鉄筋近傍へのアルカリ金属イオンの集積が見られたが,50mA/m^2の電流密度で通電を行った供試体については,このような集積量は小さかった。 (4) 通電に伴ってコンクリートのASR膨張抑制効果が認められ,特にHPFRCC陽極層に近い部分における膨張抑制効果が大きかった。また,リチウム塩の種類としては,LiOHよりもLiNO_3の方が抑制効果が大きい傾向を示した。
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Research Products
(3 results)