2008 Fiscal Year Annual Research Report
大気・海洋間の運動量輸送過程の帰納的推定と沿岸防災技術の高度化に関する研究
Project/Area Number |
20360222
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
橋本 典明 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (90371749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山城 賢 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70336014)
横田 雅紀 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (60432861)
河合 弘泰 (独)港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 海象情報研究領域長 (40371752)
川口 浩二 (独)港湾空港技術研究所, 海洋・水工部, 主任研究官 (50371753)
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Keywords | 波浪推算モデル / 非線形相互作用 / 大気・海洋間の運動量輸送過程 / データ同化 |
Research Abstract |
1.既往の波浪推算結果の収集・整理・解析 国土交通省および(独)港湾空港技術研究所がこれまでに実施してきた波浪推算結果を収集・整理・解析し,推算値が観測値よりも過大(誤差が大きい)であった33ケースを選定し,海上風データ及び,同期間のNOWPHAS(全国港湾海洋波浪情報網)波浪観測データを収集・整理した。また,これらの波浪推算結果の再解析を実施し,波浪の推算精度に影響を与える気象条件(風速や台風の移動速度など)を整理した。さらに,超強風下での波浪の数値実験を行い,台風の移動速度や移動経路,計算格子間隔,エネルギー入力項の算出法の違いによる推算波高の違いを明らかにすることにより,推算波高が過大となりやすい条件を明らかにした。 2.有限水深域における非線形エネルギー輸送の離散相互作用近似の改良 申請者らが開発した任意水深域に適用可能な非線形エネルギー輸送の厳密計算法を基に,浅海域においても計算精度が高く計算負荷の小さな新しい離散相互作用近似を開発し,うねりの伝播では非線形相互作用が波高の推算結果に大きく影響することを確認した。 3.大気・海洋間の運動量輸送過程の検討と波浪モデルの改良 これまでに提案されてきた風から波へのエネルギー輸送項について,既往文献の調査を行い,各々の関数形の特徴およびどの部分に曖昧性が残されているかにっいて検討した。さらに,暴風時の大気・海洋間の運動量輸送過程で重要な海面抵抗係数CDに着目し,波浪観測データから波浪推算モデルWAMを介し,離散的一定値関数形で設定したCDを逆推定可能なAdjoint法(4次元変分法)を利用したモデルを開発した。
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