2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360275
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
瀬口 哲夫 名古屋市立大学, 大学院・芸術工学研究科, 教授 (00093047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 茂 名城大学, 都市情報学部, 教授 (10251349)
高山 純一 金沢大学, 理工研究環境デザイン学系, 教授 (90126590)
宮崎 幸恵 東海学園大学, 人間健康学部, 教授 (20105943)
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Keywords | 合併巨大都市 / 合併形態 / 広域的都市課題 / 広域調整技術 / 持続的地域づくり / 公共交通 / 住宅政策 |
Research Abstract |
2010年度の研究成果を以下の様にまとめることができる。地域管理政策については、「合理化重視」対「構成地区の自立性配慮」のスタンスの違いに大きく影響される。前者の立場は、公共施設の統合と縮減型の地域管理を促し、コンパクトな空間管理と郊外化抑制を志向し、地域内道路網整備を課題とすることが明らかになった。 都市計画マスタープランでは、都市拠点、地域拠点、生活拠点の3つのレベルの拠点を中心に、集約型のまちづくりを目指す傾向が表れている。土地利用計画上の不整合については、広域的な土地利用調整がより容易になったとされる。地域拠点の核となりうる被合併市町村の旧庁舎があるが、編入合併では支所方式が、新設合併では総合支所方式が目立つ。総合支所は地域拠点としての性格を持つ可能性が高い。一方で、教育施設・公益施設については、統廃合が進められている。 住民自治のあり方については、地域審議会設置(無期限と有期限)による市が多く、合併特例区(有期限)を設置する市は極めて少ない。これに対して、都市内地域分権の方針を明確にした「合併巨大都市」では、無期限の地域自治区(一般)を設置し、住民の意見のもとづく予算決定システムを取り入れる先進的試みがなされている。こうしたところに、持続的な地域づくりの萌芽がみられる。 広域的な交通のあり方については、合併形態により地域公共交通に関する課題認識に差異があり、取り組み状況にも違いが出ている。共通して、地域間の格差解消が重視されていることが明らかになった。財政規模の小さな合併都市では困難さがより大きい。 広域的な住宅のあり方については、都市機能、公共交通などとセットで検討されるべきであるが、実態は必ずしも対応していない。しかし、住宅マスタープランの策定や見直しが、相対的に進んでいる。公営住宅の新規供給の必要性は低いが、小規模集落の空家対策などが課題である。
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Research Products
(8 results)