2011 Fiscal Year Annual Research Report
長寿命住宅に対応する住まい方事例の体系的調査研究による「リフォーム計画論」の追究
Project/Area Number |
20360278
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
沢田 知子 工学院大学, 工学部, 研究員 (40060818)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸茂 みゆき 文化学園大学, 造形学部, 准教授 (50257086)
曽根 里子 文化学園大学, 造形学部, 助教 (90366815)
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Keywords | 住宅論 / 長寿命住宅 / SI住宅 / 住宅リフォーム / リフォーム計画 |
Research Abstract |
本研究チームは、近年の課題となっている「長寿命住宅」の供給において、そのハードに対応すべきソフト(長寿命な住まい方像)が明らかになっていない現状と、社会波及的な研究成果の必要性に着目し、公共性の高い研究内容・組織体制を主眼に本研究を構想した。 本研究の内容は、「A:先駆的プロジェクト」「B:公的集合住宅(SI住宅)」「C:民間リフォーム」の代表例を対象に「経年的・先導的住まい方」の体系的調査(収集・調査分析)を行い、あわせて「D:産学官連携研究会」(12名)による理論共有を図り、「E:長寿命住宅に対応した住まい方像」の明確化を図るとともに、一般市民にも影響力のある「長寿命住宅の住まい方事例集(リフォーム計画論)」の理論構築・著書企画を行うことを目的とする。 平成23年度は、「A:先駆的プロジェクトの知見収集」を拡充した。「B:公的集合住宅(SI住宅)」としてすでに実施した「フリープラン賃貸住宅」の調査結果に基づき、入居後20年の居住履歴を明らかにする考察を行った。「C:民間リフォーム」の代表例については、(財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターで実施している「住まいのリフォームコンクール」入賞作を対象に、アンケート調査(90例)・ヒアリング調査(13例)を実施し、例えば「築後年数が80年・100年を越える」優れたリフォーム事例が誕生する背景・要因等を事例収集した。この研究成果から「長寿命住宅に対応する住まい方」に関する研究の骨子(理論づけ)が見つかった。 社会的な公表として、平成23年12月1日に、UR都市再生機構の依頼により「職員研修会」で招待講演(都市型集合住宅のライフスタイルに関する研究)を行い、供給側との意見交換で大きな成果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アンケート調査・ヒアリング調査の実施については、協力を得る側の都合に十分配慮することが研究成果の質にも影響を与える。その意味で、当初の計画よりスケジュール面でわずかながら遅れぎみではいるが、調査内容やその成果については、予定を上回る十分有効な知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度は、本研究の5年間の最終年度であり、総括としての研究課題に対応する「リフォーム計画論」の理論構築と、その研究成果の公表(学術的ならびに一般市民向け)について研究活動を推進する予定である。
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