2008 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおける漸進的開発のための建築・都市計画手法
Project/Area Number |
20360280
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
脇田 祥尚 Kinki University, 理工学部, 准教授 (40280119)
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Keywords | 都市居住 / 外部空間 / 空間利用 / 街区 / スクウォッター / プノンペン / カンボジア / 都市計画 |
Research Abstract |
本研究の目的は、カンボジアの都市居住の特性や都市空間の構成等を明らかにすることを通して漸進的な開発に向けた建築・都市計画手法を明らかにすることにある。 初年度である今年は、夏季に23日間にわたる現地調査を行い、(1)ショップハウスの空間更新、(2)スクウォッター地区の居住空間構成、(3)土着的市場の空間構成、(4)コロニアル建築の分布、(5)土着的住居集落の空間構成の5つのテーマに従って基礎的調査を行った。 (1)ショップハウスの空間更新に関しては、55棟のショップハウスの空間更新事例を分析することにより、(1)居住空間の確保、(2)独立性の確保、(3)アクセスの変更の3点が空間更新の要因となることを明らかにした。また空間更新が実施される箇所として、住戸内部、住棟内部、路地空間、住棟単位の4か所が挙げられることがわかった。住戸内部では、中二階の増築、個室の増築、住居の外部拡張、水回りの増築、屋根裏の利用、住戸の高層化、内部会談の封鎖の7つ、住棟内部では、廊下の私有、水回りの増築、テラスの室内化、屋上に住居建設、階段の増築、中庭の占有、階段室の閉鎖の7つ、路地空間では、路地の室内化、路地に階段を増築、路地と1階を接続の3つ、住棟単位では、住棟内部同士の接続、住居同士の接続、住居と住棟内部の接続の3つの増改築類型があることを明らかにした。特に、中二階の増築、個室の増築、水回りの増築、廊下の私有が多いことがわかった。 その他のテーマについては、基礎的な知見を得つつある。次年度は、現地調査の成果を踏まえつつ、日本建築学会等で成果を発表する予定である。
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Research Products
(6 results)