2010 Fiscal Year Annual Research Report
カンボジアにおける漸進的開発のための建築・都市計画手法
Project/Area Number |
20360280
|
Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
脇田 祥尚 近畿大学, 理工学部, 准教授 (40280119)
|
Keywords | 住居集落 / 空間構成 / カンボジア / 水上集落 / スクウォッター / 都市居住 / 高床式住居 / プノンペン |
Research Abstract |
本研究の目的は、カンボジアの都市居住の特性や都市空間の構成等を明らかにすることを通して漸進的な開発に向けた建築・都市計画手法を明らかにすることにある。平成22年度は3年度目にあたり、夏季に15日間、冬季に15日間、合計30日間にわたる現地調査を行い、(1)スクウォッター地区の居住空間構成、(2)都心部の木造高床式住居の変容、(3)ショップハウスによって構成される都市景観、(4)農村集落の空間構成の4つのテーマに従って基礎的調査を行った。 特に中心的に調査を行ったは、(3)ショップハウスによって構成される都市景観に関する調査である。明らかになったのは以下の4点である。(1)ショップハウスの2層のベランダは、奥行きのある景観を創り出すと共に、人の営みを立面に表出させている。(2)個々のユニットは、ファサードの要素のデザインパターンを変え、相互に独立、結合しあい、変化のある壁面を形成する。同一フレームの中で個別更新が行われているため、結果的に壁面の連続性を保持している。(3)1階部分の時間的変化のある景観と、屋上の多様な増改築は、街並みの統一を単調化させず賑わいを感じさせることに貢献している。(4)以上のような街並みが単なる一面の壁として存在するのではなく、道路両側へ配置されると共に街区レベルで連続し、ビスタを形成するアーバンデザインと連携することで、都市景観に埋め込まれることに成功している。 次年度は最終年度であり、これまでの研究の総括を行いたい。
|
Research Products
(3 results)