2010 Fiscal Year Annual Research Report
ハイブリッド式常温磁気冷凍実現のためのメタ磁性型材料の磁気熱量効果制御
Project/Area Number |
20360289
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
藤田 麻哉 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (10323073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深道 和明 東北大学, 多元物質科学研究所, 研究教授 (00005969)
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Keywords | 環境負荷 / 磁気熱量効果 / 磁気冷凍 / 磁気相転移 / 合金設計 |
Research Abstract |
前年度までの結果を踏まえ、La(Fe_xSi_<1-x>)_<13>化合物を機軸として複合元素置換による磁気熱量効果の温度変化プロファイル制御を推進した。また、スピン揺らぎに関する実験的解明をさらに進め、得られた結果を元に、ハイブリッド冷凍サイクルとの適合性と併せて、物性制御の方針を総括・整理した。 a)元素部分置換による磁気エントロピー制御: 前年度のCeおよびAl複合置換の結果を参考に、希土類部分置換とSiサイト部分置換の役割を明らかにした。La(Fe_xSi_<1-x>)のSiサイトに対するAl部分置換による磁気エントロピー出現温度幅の拡大を保持して、LaサイトのPr部分置換による最大値制御の複合化を行った。この結果、温度プロファイルの拡大だけでなく、履歴損失の低下を実現してエントロピー最大値を拡幅することができた。 b)Al部分置i換系の磁気体積効果の評価: Al部分置換系への複合部分置換や水素吸収により磁気体積効果を通じて磁性を制御するためには、Al部分置換系自体の磁気体積効果を知る必要があった。そこで、Al部分置換系について、静水圧下磁化測定による圧力効果測定をおこなった。この結果、キュリー温度の圧力効果はAl濃度に対して一様変化から偏差する挙動が見られた。これは、Al系固有のスピン揺らぎの変化であることがわかった。 c)総括: 以上の結果に加え、相転移進行過程などについても磁化測定を応用して行い、また1次相転移履歴損失との関係など、磁気熱量効果を応用する上で重要となる観点での物性評価を統合的に行い、23年度に繰り越した材料試験検討と併せて、ハイブリッド式磁気冷凍に必要な材料設計指針に関する統括を行った。
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Research Products
(8 results)