2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20360345
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
伊藤 靖彦 Doshisha University, 理工学部, 教授 (20026066)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 元 同志社大学, 生命医科学部, 教授 (30201263)
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Keywords | 金属ナノ粒子 / 溶融塩 / プラズマ誘起電解 / 溶融塩電解 / 放電電解 / 連続製造システム / 陰極放電 / 大気圧プラズマ |
Research Abstract |
本研究では、ナノ粒子作製法であるプラズマ誘起電解法において、回転円盤式電解装置を用いた作製粒子のサイズ制御に関する検討とプラズマ誘起電解のための電源システムの設計・製作を行っている。回転円盤式電解装置では、電解浴溶融塩は高速回転させた陽極円盤上に供給され、液膜状に広がって円盤とともに回転し、円盤外部に設けた回収容器へと飛散し、固化する。この円盤上の溶融塩液膜を電解浴に用いて電解を行うことで、成長初期段階にあるナノ粒子を速やかに回収することができる。前年度の検討では、ニッケル粒子の作製を中心に調べたところ、円盤の回転速度が増すにつれて、作製粒子のサイズが微細化し、特に1,700rpm以上の高回転速度領域で大幅に微細化できる可能性が見出された。 これまで円盤の回転速度の装置限界は1,700rpmであったが、本年度では3,300rpmの回転が可能になるように円盤回転機構に改良を加え、より幅広い回転速度で検討を行った。その結果、2,000rpm以上の回転速度で、極めて微細な10nm以下のニッケルナノ粒子が得られた。また、当初は作製粒子のサイズと電解電流値との間に相関があると考えられたが、0.1-5.0Aの範囲では電流値を変化させても、粒子サイズの変化は小さかった。これらの結果から、作製粒子のサイズ制御には、円盤の回転速度を変化させることが最も効果的であることが確かめられた。 また、放電を安定的に維持し、放電停止時に自律的に放電を駆動する方式について検討したところ、いずれの回転速度・電流値においても30V以下の直流電圧で放電を維持でき、約4kVの直流電圧の印加により放電を開始できることがわかった。次年度では、放電極の多電極化について検討を行い、複数の放電を用いたプラズマ誘起電解が可能な電源システムの構築を目指している。
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Research Products
(10 results)