2008 Fiscal Year Annual Research Report
高活性および高耐久性を有するシリカ被覆白金電極触媒の開発
Project/Area Number |
20360365
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 壮 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (10302936)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 炭素担持Pt触媒 / 触媒失活 / シリカ被覆 / Ptナノ粒子 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池では、カソード、アノード共に炭素担持Pt触媒が利用されている。しかしカソードの電極触媒は高い酸性、高い正電位、水蒸気雰囲気、酸化的雰囲気、80℃の高温にさらされるために、炭素担持Pt触媒上のPt粒子からカチオン性のPtが溶出し、そのPt種が他のPt粒子上に再析出することでPt粒子径が大きくなり、これにより触媒活性が低下する問題がある。我々は炭素担持Pt触媒をシリカで被覆すると、その電極触媒活性を高く保持したまま、耐久性が向上することを見出している。そこで本申請課題では、シリカ被覆炭素担持Pt触媒の電極活性と耐久性を最適化すると共に、シリカ被覆炭素担持Pt触媒の電極触媒作用を解明する。本年度の研究では、化学的・物理的特性の異なるシリカで被覆された炭素担持Pt触媒を調製し、それらの触媒の電極活性、耐久性を評価した。まず異なる密度のシリカ層で被覆された炭素担持Pt触媒を調製するために、異なるpHでテトラエトキシシランの加水分解を行い、炭素担持Pt触媒をシリカで被覆した。その結果、より低いpHでテトラエトキシシランの加水分解を行うことで、緻密なシリカ層が生成し、その触媒が優れた耐久性を示すことが分かった。また異なる厚さのシリカ層で被覆された触媒を調製するために、異なるテトラエトキシシラン濃度でシリカ被覆炭素担持Pt触媒を調製し、これらの電極活性、耐久性を評価した。その結果、シリカ層が厚くなるにつれて触媒の耐久性が改善されたが、触媒活性はシリカ層厚さが厚くなるにつれて低下した。以上の結果より、シリカでの被覆により炭素担持Pt触媒の電極活性を低下させること無く、それらの耐久性を向上させるには、厚さ6nm程度の緻密なシリカ層により炭素担持Pt触媒を被覆することが最適であると結論した。
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Research Products
(3 results)