2009 Fiscal Year Annual Research Report
高活性および高耐久性を有するシリカ被覆白金電極触媒の開発
Project/Area Number |
20360365
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 壮 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (10302936)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 炭素担持Pt触媒 / シリカ被覆 / Pt触媒の耐久性 / カソード触媒 |
Research Abstract |
水素エネルギー社会の実現に向け,固体高分子形燃料電池の早期実用化が期待されている.固体高分子形燃料電池の実用化には様々な技術課題が山積しているが,カソード触媒に用いられる炭素担持Pt触媒の劣化は深刻である.そこで本申請課題では,ナノスケールのシリカ層での被覆を応用して炭素担持Pt触媒の高耐久性化を検討する.平成20年度はカーボンナノチューブ担持Pt触媒をシリカで被覆し,その触媒の高耐久性化を試みた.平成21年度はこの研究を発展させ,炭素担体としてカーボンブラックを用いた.カーボンナノチューブは高価であるため,より安価なカーボンブラックを担体に用いてもシリカでの被覆によりPt触媒の高耐久性化が達成されることは興味深い.平成21年度はシリカ被覆カーボンブラック担持Pt触媒を調製するする際のシランカップリング剤の種類,シランカップリング剤の濃度,シランカップリング剤を加水分解する際のpHなどを種々変更することでシリカ被覆カーボンブラック担持Pt触媒を調製し,得られた触媒の電極活性,耐久性を評価した.その結果,カーボンブラック担持Pt触媒中のPt粒子の近傍のみを厚さ3nm程度のシリカ層で被覆することで,カーボンブラック担持Pt触媒の酸素還元活性を損なうことなく,その耐久性を改善することに成功した.カーボンブラック担持Pt触媒中のPt粒子近傍のみを選択的にシリカで被覆するには,Pt粒子と強く相互作用する3-アミノプロピルトリエトキシシランをシリカ源に用いて達成することができた.
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