2010 Fiscal Year Annual Research Report
高活性および高耐久性を有するシリカ被覆白金電極触媒の開発
Project/Area Number |
20360365
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹中 壮 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (10302936)
|
Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 炭素担持Pt触媒 / 触媒失活 / シリカ被覆 / Ptナノ粒子 |
Research Abstract |
固体高分子形燃料電池では、カソード、アノード共に炭素担持Pt触媒が利用されている。しかしカソードの電極触媒は高い酸性、高い正電位、水蒸気雰囲気、酸化的雰囲気、80℃の高温にさらされるために、炭素担持Pt触媒上のPt粒子からカチオン性のPt種が溶出し、そのPt種が他のPt粒子上に再析出することでPt粒子径が大きくなり、触媒活性が低下する問題がある。我々は炭素担持Pt触媒をシリカで被覆すると、Ptの電極触媒活性を高く保持したまま、耐久性が向上することを見出している。そこで本申請課題では、シリカ被覆炭素担持Pt触媒の電極活性と耐久性を最適化すると共に、シリカ被覆炭素担持Pt触媒の電極触媒作用を解明することを目的とした。本年度の研究では、Pt触媒の高活性化を目的に、Pt-Co合金触媒を調製し、またこの触媒の耐久性を向上するためにシリカで被覆した。その結果,シリカで被覆されていない炭素担持Pt-Co合金触媒では、Pt-Co合金調製時に合金粒子がシンタリングしたため触媒活性は低かった。さらにシリカで被覆されていないPt-Co合金触媒の金属種は燃料電池作動条件下で容易に溶出し、これにより触媒は速やかに失活した。一方シリカ被覆炭素担持Pt-Co合金触媒では、触媒調製時に合金粒子がシンタリングしないので直径2~3nmのPt-Co合金粒子が生成し、高い電極活性を示した。さらにシリカ被覆Pt-Co合金触媒では、燃料電池作動条件下でもシリカにより金属種の溶出が抑制され、高い活性を長時間保持することを見出した。
|