2008 Fiscal Year Annual Research Report
バイオロジクス生産のためのトランスジェニック鳥類プラットホームの開発
Project/Area Number |
20360376
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上平 正道 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 教授 (40202022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河邉 佳典 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30448401)
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Keywords | 生物・生体工学 / バイオテクノロジー / トランスジェニック鳥類 / バイオロジクス / ウイルスベクター |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが開発したトランスジェニック鳥類作製技術をベースにして、ニワトリなどの家禽鳥類をタンパク性医薬品などのバイオロジクス生産のための安全かつ安価な生体バイオリアクターとして使用するために必要な技術開発を行うことを目的に、(1)生産物を安定して大量に発現するための発現システムの開発、(2)生産物が糖タンパク質である場合に付加糖鎖の構造制御、(3)鳥類での生産に適したバイオロジクス生産、について検討している。(1)では、卵管特異的な少量発現を大量発現へと導くために、tTA-TRE合成プロモーターシステムを組織特異的プロモーターと組み合わせ、構成的なプロモーターによる発現ではポジティブフィードバックにより約25倍発現量の増加が見られた。卵管細胞特異的な発現のために、TRE応答配列の構成要素であるミニマムプロモーター領域を卵管組織で発現しているオボアルブミンあるいはコンアルブミンのTATA周辺領域との置き換えを行ったところ、卵管細胞特異的な発現が可能となった。(2)に関しては、トランスジェニックニワトリで生産した組換え抗体に付加された糖鎖構造を解析した。血清と卵白では糖鎖構造が大きく異なること、卵黄では血清と同様の構造の糖鎖が付加されていることを明らかにした。(3)の検討として、スギ花粉症治療を行うために、スギ花粉アレルゲンエピトープを含む融合タンパク質を生産する遺伝子導入ニワトリの作製を試みた。7crp融合タンパク質発現用ウイルスベクターを胚に注入することで遺伝子導入を行い、胚培養によって人工孵化させた。遺伝子導入ニワトリの組織からゲノムDNAを抽出して、PCR法により導入遺伝子の有無の確認を行ったところ、組織のゲノム内に導入遺伝子が検出された。血球細胞、眼球、嚇、皮膚でレポーター遺伝子EGFPの発現が観察されるとともに、ニワトリ心臓での融合タンパク質の発現を確認した。
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Research Products
(6 results)