2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオロジクス生産のためのトランスジェニック鳥類プラットホームの開発
Project/Area Number |
20360376
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上平 正道 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40202022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河邉 佳典 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教 (30448401)
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Keywords | 生物・生体工学 / バイオテクノロジー / トランスジェニック鳥類 / バイオロジクス / ウイルスベクター |
Research Abstract |
本研究では、申請者らが開発したトランスジェニック鳥類作製技術をベースにして、ニワトリなどの家禽鳥類をタンパク性医薬品などのバイオロジクス生産のための安全かつ安価な生体バイオリアクター(動物工場)として使用するために、(1)生産物を安定して大量に発現するための発現システムの開発、(2)生産物が糖タンパク質である場合に付加糖鎖の構造制御、(3)鳥類での生産に適したバイオロジクス生産、について検討を行っている。これまでに、卵管特異的な少量発現を大量発現へと導くために、tTA-TREプロモーターシステムを組織特異的プロモーターと組み合わせた人工プロモーターシステムを開発し、ニワトリ胚への遺伝子導入において組織特異的な発現が起こることを確かめた。本年度は、この人工プロモーターシステムを使った実際の生産ターゲットとして抗プリオン一本鎖抗体を生産するニワトリ個体の作製を試み、遺伝子導入したニワトリ胚を孵化させることに成功した。また、鳥類での生産に適したバイオロジクス生産として、スギ花粉症治療を行うために、スギ花粉アレルゲンT細胞エピトープを含む融合タンパク質を生産する遺伝子導入ニワトリの作製を試みており、スギ花粉アレルゲン集積エピトープである7crpを卵白リゾチームとの融合タンパク質(cLys-7crp)として生産するニワトリの作製を行い、卵白で同タンパク質を発現していることを確認しているが、本年度はマウスを用いた動物実験で、cLys-7crpを含んだ卵白の食餌によって花粉症の治療や予防に効果があるかについて検討した。その結果、花粉症モデルマウスへのこの卵白の継続的な経口投与によってくしゃみなどの花粉症症状が緩和されることがわかった。また、あらかじめcLys-7crp含有卵白を経口投与することによって、花粉症になりにくくなることがわかった。
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Research Products
(5 results)