2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370023
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
橋本 隆 Nara Institute of Science and Technology, バイオサイエンス研究科, 教授 (80180826)
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Keywords | リン酸化 / 微小管 / シグナル伝達 / 植物 |
Research Abstract |
Mitogen-activated protein kinase phosphatase様のアラビドプシス脱リン酸化酵素PHS1のC792S不活性型変異を植物細胞で発現させると、表層微小管が速やかに脱重合されることを見出した。この変異型タンパク質が標的タンパク質を不可逆的にトラップすることにより、微小管が不安定化される可能性を調べる目的で、GFP融合した野生型または不活性型を誘導化合物の添加により誘導的に発現させるアラビドプシス植物体を作出した。これらの誘導発現系統で導入遺伝子を発現させると、野生型系統では変化がないが、不活性型系統では表層微小管が脱重合し、細胞の肥大が観察された。現在、不活性型系統の後代を増殖させ、生化学的実験に必要な植物量を確保しようとしている。予備実験では、GFP抗体と磁気ビーズを用いる精製方法により、バックグラウンドを低く抑えて、特異的な相互作用タンパク質を回収する実験条件を確立している。 また、微小管脱重合作用に必要なPHS1領域を特定するために、不活性型PHS1をN末端およびC末端から欠失させたタンパク質を微小管標識アラビドプシス植物体系統で一過的に発現させる実験を行っている。現在、実験進行中であるが、phsl-1変異によりアミノ酸置換が起こっているN末端領域は不活性型PHS1の微小管脱重合作用には必要でないことが判明している。
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