2010 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質立体構造情報から基質結合→構造変化の因果関係を明らかにする
Project/Area Number |
20370063
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
木寺 詔紀 横浜市立大学, 生命ナノシステム科学研究科, 教授 (00186280)
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Keywords | タンパク質立体構造データ / 基質結合→構造変化 / データベース / 線形応答理論 / 二面角形ダイナミクス / タンパク質-タンパク質間相互作用 |
Research Abstract |
データベース中の大量のタンパク質立体構造データを用いて、タンパク質が基質と結合したときにどのように立体構造を変化させるかを、網羅的に解析・分類し、基質結合→構造変化の因果関係の一般的な論理(ルール)を同定する。その論理(ルール)に基づいて、基質非結合状態の立体構造から、基質結合状態の立体構造を予測する。最終的に、データベース中にある可能な限り多くのタンパク質について、基質結合→立体構造変化→反応という機能発現の動的な過程を理解することを目的とする。 基質結合に伴う立体構造変化のデータベース解析の結果として、以下のことを明らかにした。 1.839個の代表タンパク質からなる立体構造変化データベースを構築した 2.それらの運動をドメイン型、ローカル型、内部結合基質型、運動なし、に分類した 3.どれらをさらに、基質結合に伴うもの、結晶場の変化等の外部要因によるものに分類した 4.基質結合のよるものに対して、閉運動、開運動、その他に分類した 5.基質結合によるものに対して、線形応答理論を適用し、ドメイン型閉運動についてはほぼ完璧な線形運動であることを明らかにした 6.基質結合によるローカル型運動については、多くがorder-disorder転移、またはhelix-coil転移などの大きな運動を含み、その意味で非線形的な運動が多数を占めた 7.内部結合基質型は、ひとつのかなり大きなグループを形成し、非結合状態で極めて巧みに水素結合を完結していることが示された 8.運動の特徴は、少なくとも酵素活性との相関を見いだすことができた
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