2008 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼF-boxタンパク質の分子的・時空間的調節システムの解明
Project/Area Number |
20370076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 啓子 Tohoku University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10361073)
舟山 亮 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20452295)
山田 秀俊 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (70511955)
デル カルピオ ムニヨス カルロス アドリエル 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20231053)
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Keywords | ユビキチンリガーゼ / β-TrCP1 / Fbxw7 / ノックアウトマウス / ES細胞 |
Research Abstract |
β-TrCP1ノックアウトマウスは、正常に産まれ、生命予後に異常はなく、正常に子孫を維持することが可能であった。β-TrCP2ノックアウトマウスは、胎生8.5日より成長が停止し、胎生9.5日では、心嚢や頭部のバルーン状の拡張が見られた。そして、血管の内皮細胞の免疫染色からリモデリング不全が認められている。 そこで、β-TrCPの基質であるβ-cateninの活性をモニターできるTcf-LacZレポータートランスジェニックマウスとβ-TrCP2ノックアウトマウス交配し、β-TrCP2ノックアウトマウスにおけるβ-cateninの活性を調べた。その結果、高いLacZ活性が観察された部位に一致して、アポトーシス細胞が高率に観察された。このことは、胎生9.5日で死亡する原因は、β-cateninの過剰蓄積により転写因子としての活性が過剰となり、そのためにアポトーシスに至っていると考えられた。また、過剰のアポトーシスによる血管の形成不全によりリモデリング異常が惹起され、心嚢や頭部のバルーン状の拡張を誘起している可能性が高く示唆される。 また、β-TrCP1とβ-TrCP2の相補性を調べるためには、ダブルノックアウトES細胞の樹立を試み、β-TrCP2のノックアウトES細胞の樹立には成功した。β-TrCP2ノックアウトES細胞は、試験管内分化誘導系によって、神経前駆細胞へ分化できることを確認した。また、ヌードマウスに移植し、奇形腫形成能を調べたところ、三胚葉へ分化できることが観察され、β-TrCP2は、何らかの特異的な胚葉形成に必須な分子では無いことが判明した。
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Research Products
(10 results)