2010 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキチンリガーゼF-boxタンパク質の分子的・時空間的調節システムの解明
Project/Area Number |
20370076
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中山 啓子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (60294972)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石田 典子 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10361073)
舟山 亮 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20452295)
中野 星児 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (00529448)
デルカルビオ ムニヨスカルロスアドリエル 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20231053)
西田 有一郎 東北大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (00551821)
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Keywords | ユビキチンリガーゼ / β-TcP2 / Fbxw7 / ノックアウトマウス / ES細胞 |
Research Abstract |
β-TrCP2のコンディショナルノックアウトマウスの表現型解析をさらに進めた。 β-TrCP2欠失胎仔線維芽細胞は、細胞増殖能が著しく低下していた。アポトーシスをきたす細胞が増加すると同時に、M期の細胞の増加が観察されている。細胞周期関連タンパク質の発現量を調べると、G1期で発現するサイクリンDの発現量の増加が確認された。RT-qPCRにてサイクリンDのmRNA量を調べると野生型に比し増加は認められるものの、タンパク質発現量の増加を説明出来るほどのものではなく、サイクリンDの分解が抑制されていることが示唆される。サイクリンDはβ-TrCPの基質として知られているので、β-TrCP2の欠失によりこの分解が抑制され過剰な蓄積が生じたと思われる。分解異常よるサイクリンDは正常な発現量では結合することが無い、CDK2と結合し、正規の制御分子であるサイクリンEの結合を妨げることでCDK2の活性を抑制し、結果として細胞周期の進行を抑えると考えられた。 また、β-TrCP2をBリンパ球でのみ欠失させると、末梢のBリンパ球の数が減少し、in vitroおよびin vivoいずれでも抗原刺激による増殖が抑制され、抗体産生能が低下していることが判明した。このときBリンパ球の増殖抑制性の分子であるIκBの発現量の増加が確認さる。β-TrCPはIκBのユビキチンリガーゼであり、β-TrCPの欠失によって分解遅延がこの表現型をもたらしていると考えられた。
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Research Products
(15 results)