2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20370082
|
Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
稲垣 昌樹 Aichi Cancer Center Research Institute, 発がん制御研究部, 部長 (30183007)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪子 誠人 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 主任研究員 (30393127)
笠原 広介 愛知県がんセンター(研究所), 発がん制御研究部, 研究員 (90455535)
|
Keywords | 細胞骨格 / 中間径フィラメント / トリコプレイン / 中心小体 / 細胞接着 |
Research Abstract |
上皮細胞特異的に発現している中間径フィラメントであるケラチンフィラメントに結合する蛋白質として我々が同定したtrichoplein(トリコプレイン)について解析を行った。トリコプレインは、分化させた培養細胞および組織細胞(小腸絨毛部)ではケラチンフィラメント上および細胞間接着部位に局在していた。一方、増殖のさかんな培養上皮細胞および組織細胞(小腸陰窩)では、トリコプレインは中心小体に局在することを見出した。そしてトリコプレインをsiRNAiによりノックダウンすると、母中心小体のappendagesにおけるnineinの局在が低下することを見出した。そして、寒冷刺激による微小管のregrowth実験を行い、トリコプレインが微小管の母中心小体のappendagesへのアンカリングの安定化を担っていることを見出した。さらにこの制御が母中心小体に局在するninein, Odf2との相互連関によって起こることを明らかにした。また驚くべきことにトリコプレインが中心小体においてAurora-Aと結合すること、そしてトリコプレイン-Aurora-A複合体が形成され、Aurora-Aが活性化することで一次線毛(primary cilia)形成を抑制する可能性があることを新たに発見した。これらの結果はトリコプレインが、細胞が分化した状態と増殖している状態とでは明らかに異なった細胞機能を果たしていることを示唆している。
|