2008 Fiscal Year Annual Research Report
常染色体STRマーカーを用いた日本国内及びその周辺のヒト集団の同定法の確立
Project/Area Number |
20370099
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山本 敏充 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (50260592)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
打樋 利英子 名古屋大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (20223571)
斎藤 成也 国立遺伝学研究所, 集団遺伝学系, 教授 (30192587)
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Keywords | STR / 常染色体 / 東アジア / 集団遺伝 / 同定法 / 遺伝子プール / 遺伝的異質性 / 祖先集団 |
Research Abstract |
本年度は、常染色体上の105ローカスのSTR型について、我々が今まで行った日本人(秋田・名古屋・大分・沖縄)、中国人(北京・陜西・湖南・福建・広東)、タイ人(バンコク)、ミャンマー人(ヤンゴン)、モンゴル人(オラーゴン・ダランザドガド)の結果に、韓国人(ソウル)及び朝鮮族が多いといわれる中国人(瀋陽)の結果を加えて解析したところ、それらのヒト地域集団は、日本人と中国人(主に漢民族)の地域集団の間に分布した。また、遺伝構造学的解析においても、これらの集団は、日本人と中国人的な構成要素を保持していた。これらの結果については、第62回日本人類学会で発表し、現在、論文を作成中である。さらに、ベイズ的アプローチに基づいたSTRUCTUREプログラムを利用することにより、各国別地域集団間、例えば、日本人と韓国人、日本人と中国人のような区別が確率論的に行える可能性が示唆された。これらの区別の精度をさらに増すために、本年度は、インビトロジェン社の連鎖解析用STRマーカーのセットから、4塩基リピートで、ヒトゲノムにほぼ均一に分布するSTRを200ローカス程度選択し、このプライマーセットを準備した。 一方、日本国内の地域差を調査することを目的として、愛知県史の編纂担当者、あるいは、岡崎市の郷土史博物館の学芸員とも相談したが、愛知県においてより地域に密着したあるいは土着性の高い家系を選択することは、行政サイドとしても協力が難しく、かつ歴史的な背景からも非常に困難である可能性が高いことが考えられた。しかし、一方で、仙台市周辺など地域により、歴史的なっながりが比較的明らかなところでは、ある程度の試料収集が行える可能性が考えられた。
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Research Products
(3 results)