2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNAアレイと成熟不全変異体、形質転換体トマトを用いた果実成熟制御鍵因子の解析
Project/Area Number |
20380022
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
久保 康隆 Okayama University, 大学院・自然科学研究科, 教授 (80167387)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 健太郎 明治大学, 農学部, 講師 (00446543)
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Keywords | 果実成熟 / マクロアレイ / VIGS / 転写因子 / エチレン |
Research Abstract |
マクロアレイを用いて調査した12284個の遺伝子のうち成熟関連遺伝子は、428個存在し約5%の割合を占めていた。成熟に伴い発現が増加した遺伝子は、242個、減少した遺伝子は188個であった。そのうちエチレン応答性遺伝子は298個で、成熟に伴って増加した遺伝子が231個、減少した遺伝子が67個であった。エチレン応答性の遺伝子のうちRIN依存性の遺伝子は、111個存在し約37.2%の割合を占めた。NOR依存性の遺伝子は、204個存在し約68.9%の割合を占めた。RINとNOR両方に非依存性を示した遺伝子は、僅か16個でエチレン応答性遺伝子の多くは、RIN, NORに依存していた。さらに、トマトマクロアレイにより成熟に伴う転写因子を調査し、選び出した転写因子についてVIGS法を用い遺伝子機能解析を行った。成熟に伴い発現が顕著に増加した転写因子は29個あり、これらのうち成熟に伴い増加したTDR4、GRAS、VHOX1、S-adenosyl-L-homocysteine hydrolase、成熟に伴い減少したb Zip、BTB、C 2 H2についてVIGS法による解析を行った。GRASの抑制により、果実成熟は抑制された。b Zip、S-adenosyl-L-homocysteine hydrolaseの抑制により、成熟は促進された。VOHOX1を幼果で抑制すると形態異常が起こり、開花20日では成熟抑制を示した。これらの遺伝子については更なる解析が必要である。マクロアレイ分析とVIGS法による遺伝子機能解析の有用性が示された。
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