2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20380024
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
倉本 宣 Meiji University, 農学部, 教授 (60287886)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
知花 武佳 東京大学, 工学部, 講師 (10372400)
岡田 久子 明治大学, 研究・知財戦略機構, 研究員 (40460000)
芦澤 和也 明治大学, 農学部, 助手 (10516660)
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Keywords | 環境 / 生態学 / 進化 / 植物 / 河川 |
Research Abstract |
1.上流域のユキヤナギ上流域の植生について、攪乱頻度の違いがユキヤナギ個体群の遺伝的構造に与える影響を明らかにするために、ユキヤナギのマイクロサテライトマーカー10遺伝子座を開発した。多摩川ほか数河川の局所個体群についてSSR解析を行ったところ、どの河川も遺伝的多様性が低いことが明らかになった。また、2007年の大規模出水がユキヤナギの開花に与える影響を明らかにするために、2008年と同様の開花についての調査を2009年4分月に実施したところ、前年に比べ、開花個体の割合が増加した。 2.中流域のカワラノギク実生の成長と相対光量子束密度の関係を被陰実験を行って検討したところ、カワラノギクの成長にはばらつきが大きかった。カワラノギクの変異性を簡便に調査できるようにするため、頭花の舌状花の色とそう果の冠毛の色を多摩川、相模川、鬼怒川で比較したところ、河川間で差がみとめられた。 3.下流域のウラギク干潟の縁におけるヨシの被度とウラギクの被度の関係を帯状区を用いて調査した。ヨシの被度が90%以上の区にはウラギクは生育していなかった。ウラギクが永続的な土壌シードバンクを有するかについては過去の発芽実験によって有さないことが予測されていたが、土壌を採取して発芽実験を行い、確認した。 4.中流域のカワシオグサ継続的な調査により、剥離して流下する藻類由来の有機物負荷量を推定し、その原因について検討した。 5.地質と植物の分布ユキヤナギについて、マクロには日本列島の地史との関連から分布について検討し、ミクロには生育地におけるミクロな分布と基質の関係について検討を行った。 6.これらの成果はそれぞれの対象種についてのマイクロハビタットから発展して、河道植生の成り立ちを理解する上で有用な情報が多く含まれている。
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Research Products
(7 results)